笑福亭たま独演会@コスモスシアター
地元出身、笑福亭たま師の、貝塚コスモスシアターでの独演会。昨年は7月の頭だったが、今年は6月の終わりの開催。前年同様、師匠である笑福亭福笑師をゲストに、仲入前には指定の対談もあるという構成。
事前に演目は発表されていた。
開口一番 月亭希遊さん 時うどん
たま師 長持
福笑師 新・動物園
師弟対談
たま師 小倉船
希遊さんは初めて。少し口調が早い気がしたが現代的ということか。うどんをすする様子で館内の大半を占めるジジババから感心の声が上がるが、のみならず、後ろの席にお子さんが来ていて、無茶苦茶ウケていたのも印象的だった。
たま師の「長持」は、対談で自ら「お子さんがいるので…」という、十八禁とでもいうべきネタだし、そのエロ要素を引いても下品さが残るなかなかな噺だったが、遠慮なく思い切り明るくやりきっていたのは却ってよかったのではないか。(こういうネタをやりますよと事前に告知しているわけだから、子供連れで来られるのは想定外だったかもしれない…)
福笑師の「新・動物園」は「動物園」の改作。的確に笑わせるジャブの連発。ネット検索でバイトを探す人たちが、ちょっと闇バイトなんてものを思い起こされもして、妙にリアルだ。
対談では、福笑師が先代枝鶴の思い出を話されたりしつつ、弟子を取る時にイントネーションを気にするというお話が印象深かった。上方言葉のイントネーションが使えないのは厳しいと。それに応えてたま師も東京の噺家さんたちと「お前何言うてんねん」のイントネーションを関東人の偽関西弁的な棒読みと、関西の普通の口調とで聴かせても違いを分かってもらえないと嘆いていたのは面白かった。福笑師のこだわりは上方言葉に限らず、「サンタクロース(棒読み)ではなくサンタ・クロース」だとか、今日の演目にしても「小倉船(→→→→→)」ではなく「小倉(→→→)・船(→↘」だとか。なるほど言葉本来の意味だったり熟語の構成を考えればその通りで、爆笑派とされる福笑師だがかなり繊細、緻密なところがおありである。
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