インテルよりAMⅮを好む志向とゴジラよりガメラを好む志向は同根かもしれない。
関西から首都圏への長かった転勤が終わり、駅近で便利だが狭小だった社宅から、広くもないけど狭くはない自宅に戻って、死蔵していたデスクトップPCを使ってみようと思い立った。
社宅ではデスクトップ1台でさえ邪魔になるような環境だったのでノートPCを使っていたのだが、せっかく自作したデスクトップがこのまま廃棄というのももったいない気がしておいてあったのだ。
液晶ディスプレイは手放していたので新たに買いなおして接続し、数年ぶりに電源を入れたPCはすんなり起動してくれた。だがしかし、AMDのSocketAM2+チップセットのマザーボードに、2014年8月発売のA8-7600という出た当時でも低価格帯のCPUでは、もはやWindows11へのバージョンアップはできないのであった。
CドライブはCrucialのS-ATA接続のSSDなので、起動にそれほどストレスはないが、容量が240GBと心もとない。データ保存用のストレージはWestern Digitalの省エネタイプ、5400rpmのハードディスクで、これはSSD内蔵のノートPCに慣れた身にはちょっとストレスを感じる遅さだ。
社宅で使っていたノート、私のはAMD Ryzen7搭載機から、それが壊れてIntel Core-i7搭載機へ、家内のはCore-i7搭載機だったのが力不足になって別のCore-i7搭載機へと変遷していたが、さらに家内のマシンはヒンジがだめになって急遽買い替えの必要に迫られ、Ryzen7搭載機に替わっている。
昔、Appleに見切りをつけて初めて購入したWindowsマシンがGatewayのAMD Athlon搭載機で、その後自作をするようになってからというもの、常にAMDのCPUを選んできた。今でこそCore-i7のノートを使っているが、この機にAMD側に戻ろうかという気持ちも働いて、デスクトップの中身を入れ替えることにした。
ケースはサーマルテイクのH-17という、Micro-ATX対応のミニタワー。幅を広めにとってストレージの取り付け場所を工夫したり、電源を底に収めたりすることで、メインの空間を遮るものを極力なくし、パーツの組み込みが非常にしやすくなっている。
これを生かしながら中身を入れ替えるわけだが、そんなにお金はかけたくないし、ゲームはもちろん3Dデータを扱うことはないし、オーバークロックなどするわけでもない。私の自作は、自分が選んで素性の分かったパーツだけで構成され、余計なアプリケーションが入っておらず、必要十分な性能を確保できている、気持ちの良いパソコンを安定稼働させることを善しとしてきたし、今回もそれは変わらない。
しかし、どうせRyzenを買うのなら、3や5ではなく7を使ってみたい(9はさすがに私の用途では役不足)。そして、爆音は嫌だしファンが増えるのも嫌なので、TDPは65Wまでで、グラフィックボードが不要なものが良い。
となると、すでに生産が終わり終息に向かってはいるが、だからこそ枯れて未知のトラブルもほぼ残っていないであろうSocket AM4で、GPUを内蔵したRyzen7 5700Gぐらいしか選択肢がなく、しかし流通在庫もかなり少なくなってきているようなので、とりあえずCPUだけ買ってから、ほかのパーツを吟味していった。用途としては、普通にWebを見て、オフィススイートを使い、簡単な動画編集、ミラーレスカメラで撮った画像の現像と加工、そんなところだ。
まずマザーボードは、仕様としてAMD A520チップセットで十分と考え、ケースの仕様に合わせてMicro-ATX規格に絞り、最近の評判は知らないが昔はメインストリームであったASUSなら間違いないだろうと、PRIME A520M-Eを選択。メモリは16GB×2枚で十分ということで、ASUSのサイトにあるA520M-Eの互換リストで確認済みになっていたコルセアのDDR4 2666、ヒートシンク付2枚組のもの。起動ディスクは互換リストに載っていなかったが価格.comなどで評判の良いKIOXIAのEXCERIA G2にしてみた。
組み上げて新たに購入したWindows11のメディアからインストールし、設定を終えるまでスムーズに進んだのだが、どういうわけかふとした拍子にブルースクリーンが出て強制的に再起動がかかるという症状が出まくった。
Chromeでブラウジングをしていて、読み込みエラーが出るのが兆候の一つで、その直後に高確率でブルースクリーン。あるいは、何もしていなくてディスプレイが消灯状態になり、しばらくするとマザーボードの起動ブザーが鳴ってブルースクリーン→再起動が起こっていたことを知らされる。あるいは、Windowsアップデートの最中に前触れもなくブルースクリーン。
ブルースクリーンに表示されるエラーの種類も様々で、何が原因なのかよくわからない。昔からメモリの不具合をチェックする定番アプリであるMemtestなんかをやるべきなのだろうがあれはあれで時間がかかるしその最中にも再起動がかかりそうで躊躇われる。とにかく調べるしかないと考えて検索をすると、Ryzenを用いてSSDがらみの問題でブルースクリーンが発生するトラブルが多いと分かった。
そこで、まず、SSDを取り寄せて交換してみた。Crucialの廉価クラスのもの、P3シリーズの500GBだ。すると、何をしても起こっていたかに思えるブルースクリーンが起きない…。と思ったが、残念ながら起きた。ただ、頻度は下がった。
すると次はメモリを疑うしかない。万全を期して、定格の最大スピード(3200MHz)よりも1ランク落としたもの(2666MHz)を選び、さらにBIOSの設定でもう1ランク落として(2333MHz)動かしていたのだが無駄だったので、逆にCFDのネイティブで3200MHz仕様のものを取り寄せた。
すると、何ということでしょう。まったく何も起こらない。もしかしてメモリが不良で、それだけ交換すれば良かったのかもしれない。しかし、確かにSSDの交換でも明らかに発生頻度は抑えられたので、両方、組み合わせの問題だったのではないかと思われる。というか思わないと腹が立ってくる…。
最終的な構成。
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