「GAMERA -Rebirth-(ガメラリバース)」公開を控えて。

敵対する5体の怪獣が公表され、「GAMERA -Rebirth-(ガメラリバース)」が盛り上がっていてとてもうれしい。公開は9月7日、あと少しだ。

昭和ガメラを、ジャイガー、ジグラはリアルタイムで劇場で観て、劇場で見ていない作品は夏休みのTV放送などで観て、出版社はケイブンシャだったと思うが、映画のストーリーを写真付きでまとめた本も読みふけっていた、アラカンのおっさんもワクワクしている。

情報を小出しにする中で、敵となる怪獣は5体と発表され、最初にギャオスが紹介された。

ガメラの敵としては、存在感において、やはりギャオスは別格だ。

子供の味方をするガメラが明確に描かれた(第一作でも子供を救ってはいるが)のが対ギャオスであり、子供が発見者として怪獣の命名をしてしまったりもして、次作対バイラス以降シリーズとガメラの性格設定が大きく舵を切るきっかけになった作品であることも重要だが、何より超音波メスの恐ろしさと、ガメラとの空中戦を演じることができる点において、昭和ギャオスは最高の敵であったと思う。平成ガメラ第1作で敵としてギャオスが選ばれたのもそのあたりではなかろうか。

頸椎が2本あり、それが音叉のように働いて超音波メスを発射するという設定も(21世紀のいま見ると子供だましかもしれないが)素晴らしいではないか!

その後、ジャイガー、ジグラ、ギロンと、昭和シリーズの敵の名前が挙がり、最後にバイラスの登場が発表された。イカである。イカであるが、好きな怪獣だ。他の映画会社の怪獣を見回しても非常にユニークな造形で、攻撃方法も独特で、ガメラの活躍に胸躍らせている子供たちの肝を冷やすような残酷描写を演じている点が何より印象深い。ジャイガーやギロンのように飛び道具に頼らない点も良い。

そんなバイラスも断末魔はいまひとつぼんやりした感があるが、映画としてのフォーマットも確立されたこの対バイラスこそ、作品としてのまとまりはシリーズ中最高ではなかろうかとも思う。ギャオスか、バイラスか、甲乙つけ難い。

その、対バイラス以降のフォーマットは概ね以下のようなものである。

・ガメラは最初から地球または人類を守る意思のようなものを感じさせる行動をとる。

・日本人と外国人の子ども2人が事件に巻き込まれる。

・ガメラは窮地に陥るが、子どもたちやその家族の奮闘によって脱出、回復、あるいは子どもたちのアシストによって攻勢を得、最終的に敵を倒す。

ついでに作品別にそのあたりと、各怪獣の最期を整理しておこう。

●対バルゴン戦:子どもが登場しない珍しいガメラ。

・ガメラは冒頭に登場。前作でロケットに封じられ火星へ飛ばされるが、隕石と衝突し脱出。地球に戻り、エネルギー補給のため黒部ダムの発電所を襲う。

・ニューギニアの山中で見つかり、オパールと間違って日本へ持ち帰られたバルゴンの卵が、船の中で誤って赤外線を照射され続けて孵化。(40分を過ぎて)船が神戸港に着いたところで、成長して巨大化したバルゴンが登場する。神戸に上陸し、新世界経由で大阪城へ(どういう移動ルートだろう。少し腑に落ちない)。バルゴンが放射した虹の光のエネルギーに誘われてガメラが飛来。

・第1ラウンド:一進一退の攻防で、ガメラの火炎噴射が功を奏するかに思えたが、バルゴンの冷気を頭部に浴びて動きが鈍り、さらに冷気を受けてガメラ活動停止。

・人類の作戦により水に弱いバルゴンを琵琶湖へ誘導するが失敗。続く虹の反射作戦も効果はあったがバルゴンを倒すには到らず。

・氷が溶けてガメラ復活。琵琶湖へ。

・第2ラウンド:バルゴンにとってはすでに傷ついているうえ、そばに巨大な湖もある不利な条件で、ガメラが一方的に攻める展開。最後は湖底まで引きずり込まれてバルゴン死亡。

●対ギャオス戦:一転、子どもにスポットライトが当たる。

・海底火山の噴火の影響で富士山が噴火し、そのエネルギーに誘われてガメラ飛来。

・一方、富士山近くの地中で眠っていたらしいギャオスも目を覚ます。

・第1ラウンド:少年がギャオスに襲われているところにガメラ登場。ギャオスの超音波メスでダメージを受けるが、四肢を引っ込め甲羅で超音波メスをいなしながら接近、火炎噴射でギャオスをひるませ、少年を救うため退避。ギャオスも撤退する。

・第2ラウンド:ギャオスが名古屋に飛来。追うようにガメラも現れる。空中戦でガメラが回転ジェットでギャオスを抑え込むが、ギャオスが胸から黄色い粉を吹き出し、ガメラのジェットが消火される。海に落ちるガメラをギャオスが追撃しようとしたところへ、水中から顔を出したガメラがギャオスの足に嚙みつく。やがて日の出となり、紫外線に弱いギャオスは超音波メスで自身の足先を切断して逃走。

・人類は三半規管のないギャオスの目を回して日光により倒す作戦を実行するが、電力不足で中断。次いで、自衛隊による攻撃で山火事を起こす作戦に出るがこれもダメージを与えられず。

・第3ラウンド:自衛隊の攻撃直後にガメラが飛来。超音波メスに手を焼き守備一辺倒になるが、岩を投げてギャオスの口をふさぎ、そのすきに接近、肉弾戦でギャオスの首に牙を突き立て致命傷を与える。そのまま夜明けとなりギャオスは死に体に。最後はギャオスを富士山の火口に落として始末する。

●対バイラス戦:ボーイスカウトは万能か。

・地球侵略を目指して宇宙空間を行くバイラス星人のUFOをガメラが攻撃。ガメラは前肢のジェットを消火されるが、反転してUFOを攻撃。UFOは母星にガメラの脅威を伝えたのち破壊される。

・ボーイスカウトの少年二人が小型潜水艇で遊んでいるところへガメラが現れ、潜水艇と一緒に遊泳。そのガメラを見つけたバイラス星人のUFO(2台目)はスーパーキャッチ光線でガメラを封じる。

・スーパーキャッチ光線の効果が切れ、ガメラは反撃を試みるが、少年二人を人質に取られる。さらに脳波コントロール受信機を首に打ち込まれ、ガメラは日本各地で暴れ被害を及ぼす。

・ボーイスカウトの技術で窮地を脱した少年たちは、脳波コントロール受信機を遠隔で故障させ、UFOからも脱出。ガメラはUFOを襲って破壊。バイラス星人は逃げようとするが失敗する。

・第1ラウンド(のみ):バイラスのボスは部下を吸収して巨大化し、ガメラとの戦いに挑む。水中から触手で襲う、触手で首を絞めるなどしつつ、花のように開いた頭部を閉じ、槍の穂先のような形状にしてガメラを襲い、ついにガメラの腹を刺す。ガメラはバイラスが腹に刺さったままジェットで飛翔。成層圏まで上昇し、バイラスを凍らせると、回転してバイラスを落とす。凍った状態で海に落ちたバイラスは死ぬ。

●対ギロン戦:ギャオスが咬ませ犬に。

・突如飛来した無人のUFOに少年2人が乗り込む。UFOは宇宙へ飛び立ち、途中、ガメラが現れ二人に帰るよう促すが、UFOは速度を上げガメラを振り切る。

・着いた先には基地のような建物があり、それを銀色の宇宙ギャオスが襲うが、基地の側からギロンが出動しギャオスを惨殺する。基地の中で少年たちは宇宙人の女性二人と出会い、ここは地球の軌道上のちょうど対角にある惑星であると知る。

・第1ラウンド:少年たちを追ってガメラが到着。早速ギロンが迎え撃つ。ガメラはギロンの頭部の刃による攻撃を甲羅で受けながら戦うが、こめかみあたりから出る手裏剣でダメージを負い、湖に落ちる。

・宇宙人に食われそうになっていた少年たちは、基地の設備を操作してギロンを出動させ、地球へ行こうとしていた宇宙人たちが乗るUFOを攻撃させる。

・第2ラウンド:暴走するギロンが基地を破壊したところへ、傷の癒えたガメラが飛来。ギロンを攻め立てるが、手裏剣を両腕に受けて湖中に退避。それを追ってギロンも湖に入るが足をつかまれ、そのまま地上に頭部を突き刺され逆立ちの状態になる。そこへ少年たちがミサイルを発射。そのミサイルを受け取ったガメラがギロンの手裏剣の発射口にミサイルを投げつけ、火炎噴射でギロンは爆死(何故か胴が上下二分割に)。

●対ジャイガー戦:ギミックてんこ盛り、インフレの極致。

・ウェスタ―島の悪魔の笛と呼ばれる石像が大阪万博のために移動させられることになり、なぜか現地にガメラがやってきて作業を妨害しようとする。

・偶然島の火山が噴火し、ガメラがそちらに気をとられている間に悪魔の笛は運び出され、その下に封印されていたジャイガーが解放される。

・第1ラウンド:ガメラ攻勢も、弱ったふりをしたジャイガーが鼻の横の牙のような矢を射出、四肢を刺される。仰向けに倒れたガメラは矢が邪魔で四肢を引っ込めてジェットを噴出することができなくなり、そのすきにジャイガーは悪魔の笛を追って、鰓らしき部分からジェット噴射のようなものを出し、海路大阪へ向かう。

・岩を利用して矢を抜いたガメラはジャイガーを追って大阪へ。

・第2ラウンド:矢に警戒しつつジャイガーを攻め立てるガメラだが、ジャイガーが足の裏の吸盤でガメラの甲羅を固定し、尻尾の先から針を出してガメラの肩口を刺す。ガメラは様子がおかしくなり海に向かうが、顔を水に入れたところで動かなくなり、左前脚と頭部が死蝋化したような状態で活動停止。

・少年2名が小型潜水艇でガメラの口の中に入り、産み付けられていたジャイガーの幼体にノイズを発するトランシーバーを投げつけて倒し、ガメラ復活。低周波がジャイガーの弱点であることが判明する。

・第3ラウンド:人類の低周波攻撃で弱るジャイガー。一方でガメラにも電気ショックを与えて復活させるが、そのため電力不足になってジャイガーへの低周波攻撃はストップしジャイガーも生気を取り戻す。ジャイガーのマグネチューム光線(高周波とのこと)でピンチに陥るが、自ら電柱を耳に刺して高周波の影響を封じるガメラ。火炎噴射でジャイガーを弱らせ、卵を産み付けようとする尻尾を叩き潰し、最後は悪魔の笛をジャイガーの眉間に刺して倒す。

●対ジグラ戦:陸に上がった河童とはこのことか。

・月面にある人類の基地がジグラ星人のUFOに襲われる。UFOはその後地球に到着し、鴨川沖に潜伏。付近を航行していたヨットを襲い、乗っていた親子連れをさらうが、子供たちの機転で親子連れは脱出。UFOは子供たちを追うが、ガメラが現れて子供たちは助けられる。

・ジグラ星人は人類に降伏を求め、その先兵となっている女が子供たちを追う。その一方でガメラはUFOを襲って破壊。中から出てきたジグラ星人は怪獣の姿となる。

・第1ラウンド:ジグラは水圧の影響か巨大化し、ガメラと対決。地上に出て、光線でガメラを倒す。ガメラは海中から逆立ちで足だけ出した恰好(犬神家の一族のスケキヨ状態)で活動停止。

・ジグラに操られていた女はコントロールから解ける。ジグラを倒すにはガメラを蘇らせるしかないという判断で、ガメラの生死を確認すべく最初につかまった親子が潜水艇で接近を図る。潜水艇がジグラに襲われ、万事休すかと思われたが、落雷でガメラが蘇る。

・第2ラウンド:水中での戦闘。光線を甲羅で受けるガメラ。防戦一方でジグラの鋭い背びれで腹を切られるが、攻めてきたジグラを捕まえるとそのまま地上へ。岩を投げてジグラの顔に突き出した角に命中させると、バランスを崩して倒れたジグラの背を岩で殴り、火炎噴射で焼き殺した。

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