DALIのSPEKTOR1とDENONのRCD-M41。その3。

DALIのSPEKTOR1が届き、DENONのRCD-M41と繋いでセッティングを行った。サウンドハウスのCLASSIC PRO MST2に、AETのVFE-2005Hを介して載せ、SPEKTOR1付属のゴム脚は使っていない。ケーブルは、SC-M33の付属品を使いまわしている。

40型のTVの両サイドを占めるには、程よい大きさ。いいバランスで鎮座している。正解だった。あとは音の方がどうか、だ。

エージングが足りるだの足りないだのと言うのは、スピーカー側ではなく聴く人間の慣れがほとんどであると、今ではそう思うに至っているので、あまり気にせず、あれこれ思いつくままに聴く。

久々に聴くモーリス・ジャンドロンのバッハ、無伴奏チェロ組曲。演奏そのものは癖を感じない端正で軽やかなものだが、録音した環境のせいか残響が過多で、なかなかユニークな録音だ。その特徴である残響はしっかりと再現されて、そうそう、この録音面白いねと、初めて聞いた時の印象を思い出し笑ってしまう。

これが、DENONの安田謙一郎さんの録音だと、演奏は落ち着き、音はちょっとドライになる。そうした変化がきちんと聴きとれる。それに、やはりコンパクトにだが、黙々と真摯に曲に向かう様が想像できるほどにはちゃんと音場が作られる。

フリッツ・ライナーとシカゴ響のマーラーの大地の歌は、オケが近所迷惑にならない程度にボリュームを絞ると歌唱がきちんと前に出てこず、そもそもリビングオーディオには厄介なソースなので、またの機会に確り聴こう。

ついでに断捨離というわけではないが、聴かないCDを処分することも考えながら整理をしつつ、目に留まったものを聴いてみる。例えばバッハの無伴奏ヴァイオリン。同じ無伴奏でもチェロの方ほど好んで聴くことがないのは、概してちょっと旋律が重めというか息苦しいところがあるからだと思うが、アルテュール・グリュミオーの録音だと不思議なことに全曲聴き通せる。よく「美音」と称えられるグリュミオーの滑らかでがさつくことのない演奏がセンターに浮かび上がる。

そして、面白かったのは、ダイニングテーブルでPCに向かっていた時のこと。システムの正面であるTVの前から離れてドヴォルザークの「アメリカ」など聴いていたら、TVの前あたりに小さな四重奏団がいるような、そんな音場ができていた。

なるほど、小さなスピーカーだが、小さいなりに、音楽をきちんと聴かせてくれる。

ハード面の特徴として、ツイーター周りともう一つ、ウーファーの振動版に木の繊維を混ぜ込んでいる点がある。その繊維の入り方がランダムで、ゴミでも混入しているかのように見えるというが、確かにその通りだった。

写真のサイズの関係で、センターに「ロイヒつぼ膏」が貼られているように見える。

こういうものは均一・均質であった方がよさそうなのだが、面白いものだ。

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