「ボヘミアン・ラプソディ」についてのネタバレと言うほどでもないメモ。

クイーンと言うバンドについて、まず出会ったのは中学生のときだった。同級生の誰かが「Get Down, Make Love」(1977年のアルバム「世界に捧ぐ」収録)のタイトルの意味を話題にしていて、そのあたりが知るきっかけだったか。周りで人気が高かった「バイシクルレース」が78年。映画としてはいまいちだったが音楽は素晴らしかった「フラッシュ・ゴードン」が80年。「ハイランダー」の感動的な主題曲「リヴ・フォーエヴァー」が86年。
映画は85年のライヴエイドまでで終わるのだが、クライマックスの直前、ソロ活動の経緯などちょっと気になって、実際のクイーンの足跡を調べてみた。



・フレディはロジャーとブライアンのバンドに参加する前にもバンド活動を行っていたが、劇中では描かれていない。

・「ボヘミアン・ラプソディ」の発売によりクイーンはそれまでの評論家からの低評価を払拭するのだが、劇中ではなんとなく批評家からの評価は低かったものの大衆に支持されたかのような印象を与える。
また、昔はクイーンと言えば「日本で人気になってその後世界的に評価された」という認識がまかり通っていて、おそらくリアルタイムで聴いていた多くの人がそのような刷り込みを受けていると思うが、調べてみるとけしてそういうわけでもない。

・劇中でまったくそのように描かれてはいないが、途中でくびになる最初のマネージャーもゲイだった。

・フレディが周りを裏切ってひとりソロ活動を始めたように描かれているが、実際には83年にはブライアンも、そしてジョンもソロアルバムを出している。ロジャーにいたっては、77年からしばしばソロ活動を行っている。

こんな具合で、映画で描かれていたことが事実ではないし、全てでもない。
しかし、このような編集があればこそ、映画としての完成度が高まったのであろうし、映画はそれが単体の芸術作品であって史料ではないのだから、そもそも事実で無いからと言って謗りを受ける言われも無い。裁判じゃないんだから、真実を浮かび上がらせるために事実を曲げたとて、罪にはなるまい。
枝葉をどう切るか。何を残し、何を捨てるか。映画に限らず、普遍的な肝だ。

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