武侠映画を劇場で。「修羅の剣士」。

先月から新宿武蔵野館で「イップ・マン 継承」を観て、それから「おじいちゃんはデブゴン」を観て、そういえば中華系を上映するもう一つの映画館、シネマート新宿のほうはどうだろうと思ってサイトを覗いたら、「封神伝奇 バトル・オブ・ゴッド」という作品が上映中。しかも、キャストの中にジェット・リーの名前。しかも筆頭にある。病気で一線を退いていると伝え聞き、出演作を観ることももう無いのかもしれないと思っていたから驚いた。

それでさっそく週末に観に行こうと上映時間を調べたら、アジアンムービー特集とやらで古龍原作の「修羅の剣士」という作品と続けて観ることができるとわかり、次の週末では上映が終わっていそうなので、二本一度に観ることにした。



古龍原作ということで、正直あまり期待していなかった。
往年のショウブラザース作品に、古龍原作があれこれあり、「天涯・名月・刀」(英語字幕で観た)とか「流星・胡蝶・剣」(後のリメイク版を観た)とか、どれも今ひとつだった。小説もいくつか読んだが同様。伏線かと思ったらたいして意味がなくほったらかしだったり、強敵が現れたと思ったらあっけなく死んだり、筋書きがどうにも雑で仕方がない。ハードボイルドタッチのかっこいい決め台詞が散りばめられて、一見深そうだが話に奥行きがないのだ。
しかし、「修羅の剣」は、主要な登場人物それぞれにしっかりとスポットを当て、特に燕十三の人物造形を掘り下げることで、粋なセリフをつないだだけに終わらないどころか、きざなセリフが上滑りすることなく心に沁みた。

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