マカロニ・ウエスタンとブルース・リー作品の主題歌は途中で半音上がる?

タイトルの通りなのだが何となく気になるのでメモしておく。
随分前に録画してあった、ジュリアーノ・ジェンマの主演作品をいくつか見返していて、オヤッと思うことがあった。
ジェンマはつい数年前まで存命で、数多くの映画に出ていたが、自分にとっては子供の頃にTVの「ロードショー」番組で観たマカロニ・ウェスタンこそが、彼の代表作だ。とりわけ、“モンゴメリー・ウッド”名義で主演した1965年の「荒野の1ドル銀貨」は、印象的な主題歌とともに忘れられない作品になっている。ヴォーカルも良し、間奏のトランペットも佳し。主旋律を口笛で奏でるのもあって、これがまた素晴らしい。音楽はジャンニ・フェッリオ。「パローレ・パローレ(甘い囁き)」の作曲家だ。

で、この曲だが、メモしておくと、1分15秒あたりでキーが半音上がる。この、半音上がると言うのが、倒されても再び立ち上がる意思であったり、男の意地であったり、そういったものの象徴のように聴こえたりするのだが、これはやばい電波でも浴びているのだろうか?

「続・荒野の1ドル銀貨」(65年)は続きでもなんでもない作品なのだが、主題歌の名曲ぶりは受け継いでいる、いや、受け継いだわけではあるまいが。セルジオ・レオーネ作品ではないが、作曲はエンニオ・モリコーネである。

これは転調しないな。

66年の「南から来た用心棒」も主題歌とオープニングの映像が非常に素晴らしい。時代なりの画質は兎も角、ムービーとスチルとアニメーションの切り替えのテンポとか最高だ。「Arizona Colt」と言う英題と邦題は全く脈絡が無いがそういう時代だから目くじらを立てても仕方が無い。

この主題歌も転調しない。ちなみにこの作品の音楽を担当したのは「チコと鮫」などを手がけたフランチェスコ・デ・マージで、後にチャック・ノリス主演の「テキサスSWAT」の音楽を手がける。で、チャック・ノリスからブルース・リーに繋がって、と言うことは別に意図しておらず、たまたまだ。

あらためて聴いてみるとそんなに転調しないんだけど、まあ、何となく、ブルース・リーの「ドラゴン怒りの鉄拳」と「ドラゴンへの道」の主題曲は、このあたりの音楽を下敷きにしているんだなあとふと思いついたわけだ。



特に、日本でレコードが残っているヴォーカル入りのバージョンは、歌い方やら歌詞の雰囲気やら、まんまマカロニ・ウェスタンに使ってもおかしくないのではないかと思えてならない。
しかしこのあたりの日本製レコードの“怪鳥音(リーの奇声)”は、本人ではないと言うのは周知の事実だが、モノマネにしてもひどいと言うか、むしろキャロル時代の矢沢みたいやな。

「怒りの鉄拳」の主題曲は、スキャットによるものが香港版オリジナルのはずで、その合唱団の中に日本に来る前のアグネス・チャンがいたとか言う話を聞いたことがあるが、子供の頃劇場で観たときに流れたのはそっちだったか、マイク・レメディオスのヴォーカルのほうだったか。
「ドラゴンへの道」の方は、劇場公開時、オープニングにはヴォーカルは入っていなかったように記憶する。

この、ウッ!っと言うやつだ。今でもこれを聴くと、ちょっとタン・ロンになった気分だ。雀百まで踊りを忘れずと言うか、三つ子の魂百までと言うか。

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