ZERO AUDIOのCARBO SINGOLO(カルボ シンゴロ)、使用感など。

ZERO AUDIOのBA型イヤホン、CARBO SINGOLO(カルボ シンゴロ)が届いた。

■ケーブル
・開封してまず良いなと思ったのがケーブル。店頭での試聴では、什器から少しだけ出ている状態なので実感できなかったが、太さは普通だが非常にしなやかで、取り回しやすい。大抵のイヤホンでは、パッケージ内で巻かれた状態で癖がつき、いつまで経ってもその癖が抜けないものがあるほどだが、これはいきなりパラリと解けて驚かされた。ゼロオーディオはLANケーブルなどを主力商品とするメーカー、共和ハーモネットのオーディオブランドだから、ケーブルはお手の物なのだろう。そういえば、店頭で触る限り下位機種もケーブルは同じもののように感じたが、3千円ほどの廉価機種でもこのケーブルを使っているのなら、それだけでもコストパフォーマンスは高いと言える。
・コードスライダーが付く。
・プラグ部分は少し華奢に感じる。
粗忽者には、もう少し頑丈なつくりがありがたい。

■筐体
・筐体は非常に小づくりだが、アルミとカーボンと真鍮を組み合わせており、見かけより遥かに重厚で実際重みを感じる。量ってみると、ケーブル込み、イヤーピースなしで14gもあった。筐体のみならず、ケーブルの方も見かけ以上に重いように思える。
・左右の形状は同じで、本体への印字と、コードスライダーに付けられた突起により識別するようになっている。老眼なので印字はちょっと分かりづらいのだが、装着した際、本体の顔側にブランドロゴ、後頭部側にLR表記が来るので、印字が少ないほうが手前に向くよう左右に持つことにより、間違えないですむだろう。
オーテクのファインフィットを付けると、真鍮部分がほぼ隠れてしまう。
■イヤーチップ
・3サイズ付属。悪くは無さそうだが、耳に馴染んだオーディオテクニカのファインフィット、Lサイズに交換する。

■付属品
・ポーチが付く。開閉は板バネ式。サイズは小さ過ぎず少し余裕があってよい。

■音質
・まずはPCにつなぎ、Windowsメディアプレーヤーをランダム&リピート再生にしてエージング一日。能率が高いので、静かな屋内では、ホワイトノイズはよく聴こえる。また、BA型にありがちな、筐体内の響きも感じるが、試聴機では気にならなかったので、エージングで解消出来るのかも知れない。
・届いたばかりの入船亭扇遊さんの新譜CDから、「三井の大黒」「人形買い」を聴く。ホールの空気感漂う中、扇遊さんの張りのある声がすっと抜けてくる。試聴どおりの、明確な音像。もうこれだけで、少なくとも落語のライブには非常に良いと結論付けていいんじゃないか。
・クラシックの器楽独奏ももちろん良く、デュシャーブルの英雄ポロネーズなどきらびやかで素晴らしく、グールドのバッハでは唸り声まで確り聴こえて可笑しい。
・フルオーケストラだと、ちょっとひいた所から俯瞰するような感じになって、BA型らしいユニット内の響きが目立つが、その影響はソースによって随分と変わるので一概に言えない。ムーティの春の祭典はダイナミックで生々しく、アンチェルとチェコフィルのショスタコーヴィチの5番も立体感が出て良い。しかし、マゼールとクリーブランドの英雄の生涯は響き以前に何故かざらついて今ひとつ。
・エージングが足りないのか、音源によってざらつくものがあったり、(これは分解能の良さゆえだろうが)うるさすぎると感じられるものがあったりするが、少なくとも独奏、独演系の音源における定位の素晴らしさは試聴時に感じたとおりだ。
・ロック系、歌謡曲などでも、録音の良いもの、比較的新しいものだと、ボーカル、各楽器の分離が良い。レッドホットチリペッパーズの「スカー・ティシュー」なんかだと、バッキングコーラスが塊ではなく複数の声の層としてきちんと聴こえて、これはもう、非常に素性が良いものだと唸らざるを得なかった。そしてもうひとつ、目を瞠ったのが、松崎しげるの「愛のメモリー35周年記念」盤(12種類のバージョン+2種のインストゥルメンタル)。ボッサバージョンを聴いてみたら、眉間の辺りにしげるが現れてびっくりした。



今回、不用意にケーブルを傷めたりすることが無いよう、同じゼロオーディオの「BANECHO」と言う収納ケースも購入した。バネ式で開閉する、メガネ入れを小さくした様なものだ。2個セットで販売されているマグネット式のケーブルクリップが1個付属する。
カラーや仕上げのバリエーションがあれこれある中で、「メッシュドブラック」を選んだが、なかなか良い質感だ。

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