ヒラリー・ハーンのショスタコーヴィチ、ヴァイオリン協奏曲第1番他。

昨年末にテレビのチャンネルをいじっていたら、NHKのところでどこかで聴いたような曲の演奏。五島みどりさんのソロで、ヴァイオリン協奏曲であることはすぐ分かるが、なんだったっけと少し考えて、やっとショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番であると気がついた。
昔、1番をレオニド・コーガン、2番をダヴィド・オイストラフが演奏したRussian Discレーベルのディスクを買って、その後、これらの曲のために買ったディスクと言うのが無い―カップリングで入っていると言うケースはあったが―ほど、あまり好んで聴く曲ではない。しかし、途中から中途半端な形で耳にしてしまったのも何かの縁だろうと、、全曲を聴きなおしてみようと思い、未聴の録音で何かあろうかと探してみて、ヒラリー・ハーンのソニー時代の全録音集が見つかったので取り寄せた。



このセットは、ハーンがソニーと契約していた頃の録音を全て網羅しているのだが、そもそもそれほど多くは無かったようで、5枚組みに収まっている。

Disc1:バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(抜粋)
Disc2:ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲
    バーンスタイン セレナーデ
Disc3:バーバー ヴァイオリン協奏曲
    メイヤー ヴァイオリン協奏曲
Disc4:ブラームス ヴァイオリン協奏曲
    ストラヴィンスキー ヴァイオリン協奏曲
Disc5:メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲
    ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番

バッハ、バーバーとメイヤーの組み合わせを除くと、売れ筋の協奏曲と現代の曲との組み合わせで、何となく「メンデルスゾーンで確実な売上を確保しつつショスタコーヴィチで新時代の名手としてのスタンスも誇示したい」と言ったレコード会社の意図を想像してしまうのだが、選曲が気に食わなかったのか、何だか分からないが、以上5枚のディスクをリリースしてグラモフォンに移籍してしまった。
とは言え、それでこれらの録音の価値が下がるわけでも無いし、実際に聴いてみて、どの曲にも共通する切れ味のよさと、けして線が細ることの無い力感、そこから滲み出る奥行きの深さ、豊かさ、見事なものだ。そもそも目当てだったショスタコーヴィチももちろん良かったが、バーバー、メイヤーが特に素晴らしいと感じた。

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