ジュリアン・ロイド・ウェッバーのドヴォルザーク、チェロ協奏曲。

ジュリアン・ロイド・ウェッバーの名前は聴いたことがあったが、録音は持っていなかった。
タワレコの予約商品で、ヴァーツラフ・ノイマン指揮チェコフィルのドヴォルザークのチェロ協奏曲を見つけ、このお国ものの保守本流とも言うべきコンビのドヴォコンであれば聴いてみようかと思ったら、ソロがイギリス人のウェッバーだった。
この録音は、名盤としてあちこちで紹介されるような名声は勝ち得ていないようだが、解説によると、 1988年、西側のちょっと変わり者だが人気のチェリストであったウェッバーを、東側(まだチェコは共産主義体制だった)の、ドヴォルザークの故国の名門オケと組ませて、大々的に売り出そうとした企画だったらしい。そのために、フィリップスのプロデューサーがチェコに乗り込み、スプラフォンのエンジニアと組んで収録したと言うから、万全を期したと言うことだろう。
しかし、1990年に「プラハの春」が訪れ、チェコは民主化の波に飲まれ、クーベリックが故国に戻って「わが祖国」を振って歴史的な出来事となって…あれやこれやでこの録音の話題は流されてしまったそうだ。

ドヴォルザーク: チェロ協奏曲, 歌劇「ルサルカ」~ポロネーズ, 序曲「謝肉祭」<タワーレコード限定>

フィルアップは歌劇「ルサルカ」からポロネーズと、序曲「謝肉祭」。
どの曲も、比較的きらびやかな音色で、チェコフィルにしてはいつものスプラフォン録音のものよりも、やや明るい気がする。
協奏曲では、ウェッバーの軽快なソロと、それを流麗に支えるオケとが、 非常に美しく調和しているが、チェコフィルのドボルザーク、と言われて何となくイメージする土着的な味わいは感じられない。それを期待するよりは、才気煥発のソリストとお国ものを円熟の境地で奏でるオケとが生み出す高い完成度を味わう演奏ではないかと思った。

もう一枚のウェッバーの演奏を含むディスクを、家内のために注文していた。マイケル・ナイマンの協奏曲集で、ウェッバーによる「サキソフォンとチェロのための二重協奏曲」に、「ハープシコードと弦楽合奏のための協奏曲」、「トロンボーンとオーケストラのための協奏曲」の3曲を収める。
家内と結婚した1990年代半ばごろ、映画音楽を中心にマイケル・ナイマンは高い評価と人気を誇り、2度ほどコンサートにも出かけたが、その頃集めた「argo」レーベルのディスクなど、今でも家内はよく聴いている。
が、どうやらメーカー在庫も無かったようで、キャンセルとなってしまった。海外から取り寄せるか、どうしようか。

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