三遊亭圓生師匠のCD2種。

入船亭の落語を日々繰り返し聴いている様な今日この頃だが、それだけではなく時折だが故六代目三遊亭圓生の噺もYoutubeで聴いている。そもそも年明けぐらいから何となく江戸の落語が聴きたくなり、大名人とされる方々のものを少しずつ聴いてみて、最初にいちばんしっくり来たのが圓生さんだった。
きちんとしたパッケージソフトで聴きたいのだが、あまりに膨大な録音、映像を残しておられるので迂闊に手が出しにくく、そのうちスタジオ録音の「十八番集」は入手したいなと思っているのだが、その前にもうちょっと手軽なものをと思い、2枚組みのCDを2セット取り寄せた。


ひとつめは「十八番集」と同じビクターから出ている「COLLEZO TWIN」というシリーズ。
演目は「妾馬」「阿武松」「三十石」「やかん」で、「三十石」のみ「十八番集」に収められているものと同じであろうスタジオ録音だが、他は1959年から76年まで年代はばらついているものの同じ東宝演芸場での高座の録音だ。


続いてはコロムビアの「落語決定盤」と言うシリーズで、「夏の医者」「包丁」「佐々木政談」「百川」「文七元結」を収める。こちらは高座の録音とNHKの放送録音からなるが、年代は1960年から79年までと、やはり長きに渡る。

いずれも最近聴き始めた輩が偉そうなことを言うまでもない名人芸なのだが、何よりも、大勢出てくる話で唸らされる。声音を変えて一人ひとりを描き分けるそのきめ細かさ。そこに滲み出る夫々の人格。
他の大名人に比べて圓生師匠は扱うネタの数が圧倒的に多く、故に圓生には十八番が無いなどと揶揄されていたようだが、このお方は夫々のネタをやりこんで磨く以上に、子供義太夫の時代から長きに渡って下地の部分で超人的な修練をなさったのではあるまいか。どんなネタでもそこに登場する人々に成りきって演じてしまえたのではあるまいか、などと、半可通が勝手な推測をしてみる。

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