ロリン・マゼールが亡くなり。

ロリン・マゼールは自分にとってクラシック音楽入門期から色々な録音を聴いてきた、おそらくは最も馴染んだ指揮者であった。
7月13日に亡くなったと言う報は当然ニュースサイトなどで知ったが、こちらも半世紀近く生きていると好きだった作家や芸術家は何人も亡くなっていて、若い頃には衝撃を受けたこともあったが、今となっては激しい喪失感や悲しみと言うものは沸いてこない。
それよりも、満84歳での大往生、しかも今年の途中までミュンヘンフィルの主席を務めていたという、ほぼ最後まで指揮者人生を全うしたと言えるその生涯に称賛を贈りたいと思う。

追悼商法と言うか便乗商法と言うか、まあ、そんな風に否定的に捉えるよりは、これでマゼールに改めて目を向けた人にとって幸いだと思うのだが、ソニー系の30枚組みボックスセットが再発されるようだ。


このセットはとっくに入手しているが、クリーヴランド管とのベートーヴェン全集、ピッツバーグ響とのシベリウス全集、バイエルン放送響とのリヒャルト・シュトラウスなど、なかなかに厚みのあるラインナップがいっぺんに揃うと言うありがたいものだ。個人的にはクリーヴランド管との「英雄の生涯」が白眉で、次いでフランス国立管との「惑星」、そして前述のベートーヴェン全集が気に入っている。マゼールを聴いてみようかと思う人がいたら、ぜひお勧めしたい。
この他にも、DECCAから、夏にはウィーンフィル時代の録音が出ており、この秋にはクリーヴランド管時代のボックスセットが出るようだ(何故かAmazonでは検索しても出てこない)。
前者はウィーンフィルとのチャイコフスキーとシベリウスの全集で、食指が動かない。後者は、ブラームスの全集を含み、昔持っていたガーシュインの録音なども含まれていて魅力的だが、リムスキー・コルサコフは去年入手したところだし、後はあまり聴かないオペラが多い。
どちらもパスしてブラームスの全集とガーシュインの録音だけ別に買おうかと思っている。
そして気になるのは、フィルハーモニア管とのマーラーチクルスの残りだ。録音は終わっているので、出るのを待つだけなのだが、いつになるのだろう。

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