ワールドカップのメモ、コロンビア戦に向けて。

これを書いている人はセレッソ大阪のサポーターである。日本人だから日本を応援するが、代表よりもセレッソの方が大切だし、そういう意味ではセレッソ所属のフォルランがメンバー入りしているウルグアイ代表も応援していたりする。その分、以下の内容は偏っていて、真に受けず割り引かねばならないものがあるかもしれない。

さて、開幕前の予想は、こうだった。

日本対コートジボワール:1-3
日本対ギリシャ:0-0
日本対コロンビア:0-3

ギリシャ戦は、ギリシャがコロンビアに0-3で負けたことを受け、前がかりになる裏を攻めるチャンスが出てくると考え1-0で日本の勝利、と変更したのだが、結局1人退場になったギリシャが守りを固めてスコアレスドローになってしまった。

そのギリシャ戦は、後半が通勤時間帯とかぶったので、録画をしておいたが結局観ていない。
30代後半になっても現役でクラブチームに属している会社の部下は「クソ試合」と言い放ち、家内も「塩試合」と罵っていたので、観る気になれなかった。

ここで気になるのは、これはもう、多くの人が感じていることだろうが、日本代表や関係者が言うところの「自分たちのサッカー」とは何か、ということだ。
前回大会以降の4年間で出来上がっていたのは、こんなサッカーだったろうか。

・遠藤を起点に、両サイドバックの上下動で揺さぶりをかけつつ、トップ下本田にボールを集める。
・本田から1トップ、あるいはサイドアタッカーにパスを出す、あるいは本田がワンタッチで返す。
・左香川、右岡崎が流動的に動き、
・1トップはフィニッシャーとしてではなく最前線のポストとしてボールを受けてはまたパスを出し、
・相手守備を崩したところで2列目の3人がシュートを決める。

しかし、このところの親善試合などで印象に残っているのは、カウンターで速い縦パス一本から生まれたり、サイドからのクロス一本で決まったり、と言った、スピーディーなゴールばかりなのだが。

・ベルギー戦で酒井宏樹のクロスに柿谷が頭で合わせたゴール。
・コスタリカ戦、山口蛍の縦パスから柿谷→香川→柿谷→香川で決めたゴール。
・ザンビア戦青山のロングフィードから大久保が芸術的トラップで決めたゴール。

青山のロングフィードと言えば、アジア杯での韓国戦で柿谷がゴールした場面も思い出される。
柿谷、大久保ともに、裏抜けを得意とするフォワードで、岡崎もクラブチームではそういうスタイルの1トップを勤めている。
同じようなストロングポイントを持ったフォワードを何人も集めながら、なぜかカウンターの縦パスで勝負するようなことは無いに等しく、遠藤、本田を中心に遅攻を繰り返し、横パス、バックパスをしている間にブロックを固められて攻めあぐねる。
これは何なんだろう。

2013年10月のセルビア、ベラルーシ戦連敗後に、山口蛍はこんなコメントを出していた。

曜一朗くんは外から見ていても、ボランチとかがボールを持った時はまず裏に動き出していた。それを誰も見てなかったというか、見ていたとしても出してなかった。曜一朗くんの持ち味なのに、そこを活かし切れてなかった

それに反論するかのような、上から目線の遠藤のコメントはこうだった。

僕らはボールを支配しながらゲームを組み立てているので、(柿谷)曜一朗のポジションが一番警戒されている。単純に一番きついポジションだ。カウンター攻撃のときや、裏に膨大なスペースが空いているときはまた違うと思うが、狙ったあとに孤立してしまったら意味がない。曜一朗の動き出しはみんなが見ていると思うので、裏を取れないのは、タイミングの問題と、裏にスペースがあるかどうか、フォローに入っている選手がいるかどうか。僕ら(パサー)はそこまで見ている

ボールを支配しながら組み立てて世界の頂点に君臨していたバルセロナが敗れ、呼応するかのようにスペイン代表が一次リーグで敗退して、ポゼッション&パスサッカー不要ではないにしてもそれだけでは勝てなくなった今、スペイン代表よりも足元の技術に劣る日本代表が、ポゼッションサッカーをやって世界に太刀打ちできるはずが無い。リスクを犯さずチャレンジせず見ているうちにチャンスを失っているだけではなかろうか。もっとがつがつ行かねばならない、挑戦者の立場ではなかったか。大久保と青山の連携は―柿谷を大久保に置き換えれば―昨秋蛍が指摘した問題点に、得点という結果で答えを出しているではないか。

ZONE WEBの非常に面白く素晴らしい分析を見ても、いかに、縦にボールが出せていないか、ペナルティエリアの手前で止まってしまっているかがよくわかる。

【W杯詳細分析・日本-ギリシャ】パス成功率90%、ポゼッション率70%――データ上はこれ以上ない「自分たちのサッカー」 日本に足りなかったのは「勇気」と「選択肢」

しかもコートジボワール戦では、相手に“ボールを支配”されていた。

データでひも解くW杯 -ボールキープに見る日本とコートジボワールの違い-

「自分たちのサッカー」が通用しないと、そろそろ認めてはどうか。オランダの真似になってしまうが、堅守からカウンターで速攻を試せないものだろうか。そのためにも、まだ可能性がある―故にこれまでのベストメンバーでぶれずに臨むべき―と考えている人たちには申し訳ないが、最後ぐらいは次回大会の主力となるだろう選手たちを起用してほしいものだ。

----柿谷----
斉藤--香川--清武
--山口--青山-
長友------内田
--今野--森重--
----川島----

本田か大久保を1トップのスーパーサブ、長友に代えて豪徳、内田に代えて宏樹。
このぐらいやって欲しい。それであかんかっても次への希望が生まれる。

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