アルテュール・グリュミオーのバッハ、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ。

このところバッハの無伴奏チェロ組曲を聴いている。自分が聴いているディスクの評価や、あるいは他に聴くべきものがあるかと思いつつWebで無伴奏チェロのレビューを探したりしていると、チェロだけでなく、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータの方も取上げておられるサイトがあったりして、何とはなしに、そちらにも意識が向くようになってしまった。

無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータについては、ヘンリク・シェリングがDGに吹き込んだ録音と、DENONのジャン=ジャック・カントロフの録音を持っている。もともとシェリングを持っていて、折り目正しく切れが合って見事で端正ではあるが、何故か余り引き込まれるものが無く、試しにカントロフに手を出してみたらより一層体温の低い演奏(あるいは録音)で、どちらも滅多に聴くことのないままになっていた。日本における第一人者である前橋汀子さんの演奏会を聴きに行った事もあるが途中で居眠りをしてしまったし、起きているときはやはり緊張感の高い演奏できりきりとしてしんどいものだった。寝てしまうのは演奏が退屈と言うことではなく、音楽でも映画でもセミナーでも、照明を落とした客席ではどうしても眠くなるのだ。

そんなこんなで曲と自分との相性が悪いのだろうと思っているのだが、気になってしまったので、数年ぶりにシェリングの録音を聴きなおしたものの、やはり耳に刺さる感じで辛い。で、レビューを漁ってみると、残念ながら自分にとって最も好ましいヴァイオリニストであるズッカーマンには録音が無かったが、比較的親しんでいるグリュミオーには全曲録音があった。



弱音が良い、先鋭になり過ぎない、流麗、ぬくもり、疲れたときに、と言ったレビューから、これは期待できるかもしれないと、Youtubeで検索をして聴いてみると、滑らかでエッジが立ち過ぎず、響きが柔らかく、なるほど素晴らしい。早速購入を決めた。

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