ショルティとシカゴ響のマーラー第9番。

サー・ゲオルグ・ショルティとシカゴ響のマーラー録音、9番が単体で手に入りづらくなったためしばらく前に思い切って全集を取り寄せてそのままにしていたが、ハイティンクの全集を聴き終えたので、ようやく手を付けた。



3番も未聴だったが、新幹線の中で聴きながら寝てしまったのでまたその内聴くとして、9番だ。ショルティにはロンドン響との録音(1967年)があるが、なかなかにガチャガチャしたもので、落ち着いて聴くには辛いものだった。
シカゴ響との全集録音は1982年。79分台のロンドン響との録音に対し、85分とかなり長くなっている。
冒頭、音がかなり小さい。デッカの録音には、ダイナミックレンジの広さを強調する意図なのか、他にもこういう音作りのものがあったような気がする。あるいは、アナログ時代のクラシックのレコードはこういうのが多かったかも。
その内音量は上がるが、大人しいと言うのが第一印象だ。第一楽章の序盤は激しさは無いが、それにしても、だ。録音が、どうも中高音を重視しているのか、確りとした下支えが無く頼りない。
第二楽章のリズム感で持ち直すが、第3楽章に進むと、やはり、どこかはじけ具合が足りない。かといって、統制の取れた美しさも無く、ガチャガチャした感じは漂う。
したがって、終盤で終楽章のモチーフが現れても、転換の妙味が薄く、美しさが光らない。そして、どことなく間延びした感じで、終曲へと向かっていく。
自分にとっての全集を作るなら、2番と8番はショルティのものを選ぶし、5番、6番も上位に挙げられる。しかし、9番だけは、何か違う。これは違う、としか思えない。何故だろう。

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