ジャン&ディーンの「パサディナのおばあちゃん」とピーター&ゴードンの復刻盤。

随分前のニュースでEMIが買収と言うか身売りされたが、そろそろ店頭でも、EMIのディスクがワーナー仕様に変わりつつあるようだ。
EMIには、「EMI クラシックス・ベスト100・プレミアム」と言うシリーズがあった。HQCDと言う、通常のCDよりも音が良いとされる仕様でありながら、1,200円と価格は廉価に据え置かれたものだ。そのラインナップに、アンドレ・プレヴィン指揮のラフマニノフ交響曲第2番があり、そろそろ店頭や流通在庫から消えかかっている。光学読み取りのデジタルデータにおいてメディアの樹脂や金属幕の素材が音質に影響を与えるとは思えないのだが、まあ、聴いておきたい録音であったし、HQCDも試しにと、残り少ない在庫を取り置きして購入した。
タワレコの難波店は、階層により、ビルの3フロアを占めていたものが、2フロアに縮小されている。これまで分けられていたポップ、ロック系のフロアと、クラシック、ジャズ、ワールド系のフロアが1フロアに押し込められた格好だ。クラシックの棚はかなり減っているし、ロック系の棚からは、輸入盤が減っているように見える。



で、そのフロアをうろうろしつつ、ダイアナ・ロス&スプリームスや、フィル・スペクター作品を探していたがめぼしいものが無く、代わりにというわけではないが、ジャン&ディーンの「パサディナのおばあちゃん」と、ピーター&ゴードンの日本盤アルバムの復刻盤を見つけたので入手した。



ジャン&ディーンの「パサディナのおばあちゃん」は30年ほど前までアナログ盤を持っていて、それを手放して以来の再会だ。2012年の発売時からチェックしていたものの、オリジナルLPのままの内容でボーナストラックが無いなど今ひとつ魅力を感じず買わずにいたのだが、手に取ると誘惑に抗えなかった。日本盤で彼らのキャリアを解説したライナーノーツがついていながら定価999円と言うのは満足すべきだろう。
彼らの代表曲「Surf City」や「Drag City」は含まれていないが、「青春の渚(Summer Means Fun)」―何故Youtubeには彼らのバージョンが無いのか!―、「It's As Easy As 1, 2, 3」「When It's Over」と言った傑作ぞろいのいいアルバムだ。



ピーター&ゴードンの方は、1964年の英国でのデビューアルバムをベースにした65年発売の日本盤「ピーター&ゴードン」に、ボーナストラックを加え、ほぼベスト盤といってもよい構成になっている。ジャケットデザインも日本盤から復刻とのことだ。
ポール・マッカートニー作の大傑作「愛なき世界(World Without Love)」はいつまでも色あせないし、「500マイル離れて」などフォークの名曲も彼らにはよく合っているが、それら以上にボーナストラックの充実ぶりが嬉しかった。ポール提供の「逢いたくないさ(I Don't Want To See You Again)」「Nobody I Know」「Woman」、そしてデル・シャノンの至高の名曲「I Go To Pieces」だ。
なおこのCD、Parlophoneレーベルのロゴが入っているので以前ならEMIから発売されていたのだろうが、EMIの名残はもはやなく、ワーナーからのリリースとなっている。

コメント

人気の投稿