アンドレ・プレヴィンのラフマニノフ交響曲第2番。

ラフマニノフの交響曲第2番、それほど聴き比べをしようとは思わない曲ではあるが、先日購入したマゼールの全集録音が、少し堂々としすぎていて好みでなく、定番とも言われるプレヴィンの録音を聴いてみることにした。
プレヴィンの録音で現在入手できるものは3種類あるようだが、今回は1973年、ロンドン交響楽団とのEMIでの録音、完全全曲版を選んだ。66年RCAに吹き込んだカットありのもの、テラークに吹き込んだ85年ロイヤルフィルとの完全全曲版とに挟まれて、定番中の定番と高く評価されている。



第一楽章、厳かな立ち上がり。低音がよく響く。昔のEMIの録音にしては、なかなかクリアだ。第二楽章のせかせか、ガチャガチャした感じはこんなものだろう、と言ったところ。ロンドン響の、線は細めではあるものの、少し燻したような、尖り過ぎない音がちょうど良い。
そして第三楽章、優美なモチーフが繰り返し絡み合う。その密度と言う点では、マゼールとベルリンフィルの録音は素晴らしかったが、押し出しが堂々としすぎ、強すぎた。こちらはややすかすかした感じだが、しなやかさでは軍配が上がる。そしてその方が、曲調に合っているのではなかろうか。
終楽章のおもちゃ箱をひっくり返したようなにぎやかさも、少し渋めの落ち着きがあって聴きやすい。
ただし、先日ドヴォルザークを聴いていて思ったのだが、10代の頃、クリーブランド管やロンドン響など米英のオケからクラシックに親しんだ所為か、どうも独墺系保守本流のオケの音よりも、そちらを贔屓目に感じる傾向があるのかもしれない。

コメント

人気の投稿