ブーレーズとウィーンフィルの「大地の歌」。

ブーレーズのマーラーボックスから、聴かずにおいた「大地の歌」を。
1999年の録音で、オケはウィーンフィル。男声はミヒャエル・シャーデで、女声はヴィオレータ・ウルマーナ。どちらも聴いたことがない人たちだ。



一曲目、冒頭の金管はややゆっくり目でふくらみのある良い感じだが、弦が入ってくると妙にガチャガチャした印象になる。シャーデの歌唱には何故かフリッツ・ヴンダーリヒを想起させられ、これは好ましい。
二曲目、ウルマーナも非力さ、あるいは野太さも無く良い。
好みの3曲目、5曲目も、シャーデはなかなか良いのだが、ごちゃつきは残る。終曲は、オケはどちらかと言えばあっさりしたもので、くどい曲だからこのぐらいの方が良いと思えた。
全体的に、ヘッドセットを換えた影響があるかも知れないが、妙にオケの音が五月蝿く感じられてしまった。歌唱は悪くないし、歌と被らないところでのオケの響きもそんなに悪くない。ありのままに、興を盛り上げようとしたりしないスタンスが窺えるのだが、むしろそれ故にガチャガチャと、それこそありのままに各々の楽器が鳴っている様に聴こえるのだろうか。
ただし、音の良さ、歌唱の安定感など、非常に優れた録音であることは間違いないだろう。

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