ビーチボーイズの「スマイリー・スマイル」と「ワイルド・ハニー」。

高校生とか大学生だった頃、ザ・ビーチボーイズの作品では、「ファン・ファン・ファン」や「アイ・ゲット・アラウンド」などが好きだったが、最も素晴らしいと思ったのは「ダーリン」だった。
この曲が収録されているアルバムは「ワイルド・ハニー」。「ペット・サウンズ」の次の企画「スマイル」が頓挫し、代わりに「スマイリー・スマイル」がリリースされた、さらにその次の作品だ。



どういうわけか、本来の「スマイル」プロジェクトがCD化された今も、「スマイリー・スマイル」は単独で販売されているが、「ワイルド・ハニー」はどこにも在庫が見当たらない。「スマイリー・スマイル」とニコイチになったセットぐらいしか売られていない。「スマイリー・スマイル」からは代表曲のひとつである「グッド・ヴァイブレーション」が全米1位になっているのに対し、「ダーリン」がそこそこヒットしたぐらいで、しかも特にエポック・メイキングなところも無く前2作から進化/深化したというよりもポップな方へ揺り戻した作風であるから、後世には評価され難いのだろうか。



しかし、私にとってこの「ダーリン」は、ビートルズの「All My Loving」、ジャン&ディーンの「青春の渚」、あるいは矢沢永吉の「ウイスキー・コーク」等と並び、30年前に仲間たちと唱えていた「名曲すぐ終わる」の法則を実証する名曲であり、その一曲が含まれているだけで、このアルバムは十分に輝かしいものだと思うのだ。

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