いまさらビーチボーイズの「ペット・サウンズ」を聴く。

随分前にザ・ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンと彼の代表作と言うべき「ペット・サウンズ」について書かれた、その名も「ペット・サウンズ」と言う本について記した。
ビーチボーイズは若い頃からベスト盤ぐらいしか聴いておらず、その本を読んだ時点でもまだそうだったし、その後も何故か手を出さなかったのだが、マーラー漬けの脳をいったんリフレッシュさせようと、「ペット・サウンズ」を投じてみる気になった。
注文したのは、モノラルとステレオを両方収録したディスクで、その間に、1曲だけボーナストラックが挟まっている。このアルバムのCDには、モノラル、ステレオ、両方収録したの、マスタリングの違い、おまけ付の限定品と色々選択肢があるそうだが、よく分からないので適当に選んだ。



ブライアン・ウィルソンは片耳が不自由で故にモノラルにこだわったと言うので、モノラルの13曲とボーナストラック1曲を聴く。1966年の発表で、この当時としては珍しくないことだがオリジナルアルバムの全曲の収録時間をあわせても30分ほどしかない。
それまでの彼らの、カリフォルニアの陽光とサーフィン、車と言ったモチーフが消えうせてサウンドも複雑化したためにアメリカでは思ったほど売れず、イギリスや後の世の人々によって評価されたと言うが、1曲目の「素敵じゃないか」からして結構キャッチーではないかと思う。リフやベースラインにはモータウン・サウンドのようなニュアンスを感じるし、「救いの道」や「駄目な僕」のサビの様な、ぐっと来るコードダイアグラムもあちこちにある。程よくポップで良くまとまったアルバムではなかろうか。

ただし、果たしてこれが、ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」と並び称されるポップ/ロック史上の名盤かどうか、ビートルズなら「サージェント・ペパーズ」よりも「リボルバー」を上に見、その他「オデッセイ・アンド・オラクル」や「オグデンズ・ナット・ゴーン・フレーク」と言った60年代後半イギリスのコンセプトアルバムの中にあってザ・フーの「トミー」こそ最も偉大な作品(最も好ましいわけではないが)ではないかと思っている自分にはよく分からない。

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