アンドレ・クリュイタンスとベルリンフィルのベートーヴェン全集、聴き終えて。

クリュイタンスのベートーヴェン全集から、残る7、8、3番を聴いた。
7番は、非常にゆったりとした第一楽章に、ワグナーが「舞踏の権化」と評したと言う曲がどうなってしまうのか不安も覚えたが、むしろ終楽章とのメリハリが効いてなかなか素晴らしいできばえと感じた。
8番はただただ流麗でありながらたおやかと言うほど弱くも無く、整った演奏。

全体を通して振り返ると、もっとも素晴らしいのは4番だろうか。1、2、5、6番は好んで聴くことの余り無い曲で偉そうに批評できないが、ベートーヴェンの交響曲に先入観として抱きがちなダイナミクス、スペクタキュラーなスケール感がしっかりと感じられる点で5番、6番もありだと思った。それは9番にも感じたことだ。

そして元々聴きたくてこのセットを買うに至った3番、これがまた流麗で滑らかで美しい。もうちょっと男性的な力強さが欲しい気はするが。



兎に角、最新の録音を単品で買う以上に安価に手に入るので、これは買いだろう。

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