続、アンドレ・クリュイタンスとベルリンフィルのベートーヴェン全集。

アンドレ・クリュイタンスとベルリンフィルのベートーヴェン、9番を皮切りに1、2、6、4、5番と聴き進めてきた。
1番、2番は日頃めったに聴かない、と言うか全集を買ったときぐらいしか聴かないので何とも言えないし、6番は30年以上前からだるくて苦手で、さらりと聴き流したのだが、4番は非常に良かった。ベルリンフィルの音は、そもそもウィーンフィルよりは落ち着きがあるが、厚みがあり流麗でありつつ余りふくよかさは無く鋭角的な印象だ。それはカラヤン指揮の場合で、バルビローリのマーラーでは印象が変わるが、アーノンクールとのブラームス全集なんかだと変わらなかったりする。
それと比べると、この全集の演奏は柔らかさが増した感じで、しかしドイツの名門中の名門らしい分厚さ、力強さは損なわれておらず、交響曲らしいスケール感としなやかな美麗さが共存しているように思える。どの曲も少し遅めであるのでそれが力感や安定感に繋がっているのかも知れない。
よくベートーヴェンの全集に関しては、奇数番が良いセットと偶数番が良いセットとに分かれるといわれ、ワルターもそうだがこの全集も偶数版の出来が良いと言われているようだ。確かに4番は素晴らしい。次は8番を聴いてみよう。

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