通勤の供に、キャパの「ちょっとピンぼけ」。

スマートフォンを持ち歩くようになり、電車の中でまとめサイトを眺めたりすることが多くなったので、本を読まなくなっている。
本を読まないと言うのは世間一般の傾向で、それに対して特に目くじらを立てる気は無いが、少なくとも自分にとっては余りよろしくないことのように思える。間をとって電子書籍でも買えばよいのかも知れないが、やはり物体としての本の方が好ましい。 そんなわけで久々に書店で買って読んだ、海外もののノンフィクション。



このロバート・キャパの手記は、1956年に本邦で刊行され、文庫初版が79年で、入手した版は2012年の第37刷。息の長い本だ。
昨年だったか、キャパがスペイン内戦で撮った「崩れ落ちる兵士」という写真についての“真実”を解明する番組が、NHKで放送された。結局視聴できなかったのだが、実はその番組の内容は結構胡散臭いもののようで、そのあたりはニュースサイトの記事にもなっているのはさておき、今夏には2007年に発見されたネガにまつわる映画も本邦公開されるなど、どうやらいまキャパは“来ている”ようだ。
そこまでとは露知らず(この記事を書くにあたってネットで調べて知ったぐらいだ)、そのNHKの番組の話題で久々にキャパの名を聞いていたのが頭に残っていたのか、開高先生の「ベトナム戦記」のことを思い出したりして、手に取った。
“手記”なのだが、あまりに波乱万丈だったりうますぎる展開もあったりで、「崩れ落ちる兵士」がヤラセであったらしいという情報を植え付けられているからかも知れないが、事実は小説より奇なりというもののどこかフィクションではないかと思えてならない。と言っても貶している訳ではなく、要するに、冒険譚として大変面白く読めるということだ。

コメント

人気の投稿