カンフー映画、武侠映画についてのメモ。多分前半。

カンフー映画、武侠映画についてメモしておく。

最初の接点は、岡山市内を走る路線バスの車窓から見た映画館の案内看板に描かれた、ブルース・リーの姿だった。
それは「燃えよドラゴン」で、1973年の暮れか74年の正月か。私は9歳になったばかりだった。その時すでにブルース・リーは亡くなっていたわけだが、そんなことは知らず、また、何かとても面白そうなものだがどのようなものか分からず、観に行くことはなかった。その後、この作品がヒットし、過去に遡ってリーの作品が輸入され公開される過程で、小学生にもそのすごさが伝わり、劇場に足を運ぶことになった。

よって、「燃えよドラゴン」(73)は、封切時には見ていない。後に何かの機会に劇場で見たような記憶はあるがよく覚えていない。
「ドラゴン危機一発」(74)も、封切時には見ていない。TVで観たのみのはず。劇場では、1980年代のリバイバル上映(83年か84年)ではじめて、京都の三条河原町辺り、「田園」という店の向かいにあった東映で観た様に思う。
「ドラゴン怒りの鉄拳」(74)は少年期に劇場で観ているが、それが日本封切時であったかどうか、定かでない。後に、上と同じく京都の東映で再度観ている。
「ドラゴンへの道」(75)は確実に封切で観た。どの映画館だったかは、はっきり覚えていない。岡山市内の繁華街、かつて映画館が並んでいたのは、まず千日前商店街。そして岡山駅前の東映と、洋画の小屋が並んだ一角。そして、天満屋の向かい、「ジョリー」と言う、所謂ファッションビルの中に、東宝系の小屋がいくつか入っていた(ジョリーになる前があったような気がするが覚えていない)。そのうち、おそらく千日前の「テアトル」か、駅前の小屋か、どちらかだったと思うが。
その後だったか、「ブルース・リー ドラゴン電光石火」とか、そんな題が付けられたTVシリーズ「グリーン・ホーネット」の編集版が公開され、それは観に行った(Wikipediaで確認すると2本公開されているようで、2本目のタイトルが「電光石火」らしい。2本とも観たのか2本目だけ観たのか、思い出せないが、まっとうな映画ではないのでよしとしよう)。
「死亡遊戯」(78)は封切で、そして、まんまとだまされて「死亡の塔」(80)まで観に行き馬鹿を見た。

ブルース・リー以外の作品については、同好の仲間がいるわけでなく、ネットなど未だ影もない時代のことで情報も乏しく、また家族が暴力的な映画ということであまり好ましく思っていないこともあり小学生の間は劇場には行かせてもらえなかった(ハリウッドの大作などはOKだった。ブルース・リーは世界的なスターなので特別扱いしてもらえたのだろう)。よって80年代までは、TVで観るだけだった。「片腕ドラゴン」、「必殺ドラゴン 鉄の爪」、「地獄から来た女ドラゴン」、ショウブラザースとハマープロの合作「ドラゴン対七人の吸血鬼」、実は主役は日本人だった「荒野のドラゴン」などだ。

燃えよドラゴンで火がついて、ブルース・リー作品が尽きると下火になった、この、70年代中盤の数年間が、第一次カンフー映画ブーム(当時は「カラテ映画」と呼んでいた)だ。

第二次ブームは80年代前半だ。中学3年の時にジャッキー・チェンの「酔拳」(79)が公開されヒット、それと続く「蛇拳」(79)は観逃したが「笑拳」(80)は劇場に足を運んだ。以後、「拳精」(80)、「バトル・クリーク・ブロー」(80)、「ヤングマスター」(81)、「ドラゴンロード」(82)、「龍拳」(82)、「天中拳」(83)等観に行ったが、如何せんジャッキー・チェン作品には出来にムラがあり、またつくりが雑で、常にフラストレーションが残った。そして一方で中国から"本物"の武術映画としてジェット・リー(リー・リンチェイ)主演の「少林寺」(82)が輸入されると、ジャッキーへの評価はさらに下がった。「スパルタンX」(84)で追いかけるのを止め、「酔拳2」(94)まで、ジャッキー作品のために劇場に足を運ぶことは無かった。
一方で「少林寺」に続き「少林寺2」(84)、「阿羅漢」(86)と、ジェット・リー主演作はどれも素晴らしかったが、その後低迷してしまい、見る機会も無くなった。
この頃、ジャッキー、ジェット以外で印象に残っているものとしては、「水滸伝」という映画があった。封切で観たが、いま情報を探しても余り出てこない。燕青が任原と相撲をとるエピソードを膨らませたもので、中国の武術家達が出演していると、結構大々的に雑誌などでも紹介されていたような気がする。まあ、そんなに面白かった記憶は無いので仕方が無いか。

ここまでを振り返ると、もっと、ショウ・ブラザース作品など、リアルタイムで観ていたかったと痛切に思うが仕方が無い。今見ると明らかに、ジャッキー作品なんかとはつくりが違う。細部に神経が行き届き、お金がかけられ、映画としての格が違うのだが。

とりあえずここまで。

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