デュシャーブルのショパン、ポロネーズ集。

ショパンのポロネーズを久々に聴きたくなり、前から気になっていたフランソワ=ルネ・デュシャーブルのディスクを手に入れた。アナログ時代は、恐らく今でもなお定番だろうが、マウリッツィオ・ポリーニがグラモフォンに吹き込んだものを聴いていた。
今でも多くのディスクでは、アナログ時代の名残か、1番から7番までが収録されているが、このディスクには遺作の8番から10番と、「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」が含まれている。

デュシャーブルは、「引退した」と言われることが多いようだが、ご本人によるとそうではなく、国際的な演奏活動から身を引いて、好きなように演奏をして暮らしているそうな。
2011年、近況が日本の新聞記事になっている。



録音は1996年の暮れ、44歳の時のものだ。今時もっとクリアで鮮明な録音があるが、これは一枚ベール越しに聴いているような、やや曇った感がある。しかしそのおかげかどうかはわからないが、重心が低く、軽やかで疾走感がありながらも、軽薄にならず、かといって鈍重でもなく、良いバランスで聴き応えがある。
ポロネーズをきちんと聴いていたのは随分昔で、記憶が薄れて今やポリーニの演奏との比較など出来ないが、印象的なのは6番などでの、左手側のリズムの素晴らしさだ。何故だかジョン・エントウィッスルやレッチリのフリーを想起させられた。グルーヴ、とでも言えばよいのだろうか。

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