岩明均の「寄生獣」。

2chのまとめサイトを眺めていると、時々「寄生獣」という文字が眼に入る。もう、20年近く前ではなかったろうか。アフタヌーンに連載されていた岩明均のマンガだ。そしておそらく、いや、少なくとも自分にとっては、漫画に限らず小説を含めても、最高の名作のひとつと言える作品だ。今でも高く評価されている書き込みを見ると、嬉しくなる。



地球外の生命体が人間に寄生するのだが、主人公の場合には、事故(と言うべきか)で完全に寄生されず、寄生生物と宿主が共生とも言うべき関係になってしまった。
完全に寄生されると、普段の外見は宿主である地球人のままだが、超人的な運動能力を備え、体の一部分を変形させたり、時には硬化させるといったことも可能になる。そして、人間を食らう。
その脅威が人々の日常に及び、身の回りに迫って、主人公は右腕に寄生した「ミギー」とともに、他の寄生生物との戦いに巻き込まれて行く。宿主である主人公が死ねば自らも滅びるため、ミギーはやむを得ず主人公に協力するのだが、やがて両者の関係も変化して行く。
ホラーにスプラッター風味を加味したSFであるが、過酷な運命に翻弄される一人の若者の成長譚として、異種族間の相互理解の物語として、これほどの傑作にはなかなか出会えないと思うのだ。

コメント

人気の投稿