年が明けて読んだ本。

「シシド」完結篇やローレンス・ブロックを片付けて、通勤の行き帰りに読んだもの。

 
久々に筒井康隆さんの作品を読んだ。短編と言うか掌編集。切り口様々、昔読んだ短編を髣髴させるが如何にもな筒井的展開にはならずあれっと思うところでスパッと終わってしまったり、淡々といい感じの光景が展開されいつどこで破綻が起きて狂気が伝染していくかと思っていると結局何も起こらなかったり。却ってそれで妙な余韻が滞留してしまったり。不思議な本だった。
それよりも、解説が巻末にあるのだが、ほとんど本編の引用で。こんな無意味なものをくっつけなくていいからそのギャラとページ数分の印刷代など削って本の値段を何銭か下げた方が良いのではないかと、そっちの方が気になった。

 
中学のときに借りて読んだ記憶があるが中身は覚えていなかった。読み進めても記憶が余り蘇らない。今読み返すと中学生には少し早過ぎたかもしれない内容なので、当時は読んでいて余り身が入らなかったのかもしれない。
それにしても都筑道夫さんは多芸多才な方である。「悪魔はあくまで悪魔である」とか、内容は覚えていないし今では入手が難しそうだが、ホラー系の作品もあれば、推理もの、「西連寺剛」という元ボクサーの探偵が活躍するハードボイルド、カート・キャノンの贋作なんてのもあったっけ。亡くなられて今ではあまり話題になることも無いが、再評価されるべきではなかろうか。

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