コンドラシンのマーラー第4番。

メロディヤのコンドラシン指揮マーラー箱、第4番はモスクワフィルとの録音だ。
第3番と同様、歌唱が入る第4番では、歌唱を含む楽章のみ別テイクのトラックが収録されている。第一楽章、第二楽章、第三楽章と来て、次がロシア語歌唱の第4楽章、続いてドイツ語歌唱の第四楽章、と言う並びだ。
ソプラノ独唱はロシア語もドイツ語もどちらもガリーナ・ピサレンコという人で、ソ連を代表するオペラ歌手の様だがこれまで聴いたことがない。録音は一度にしたわけでは無い様で、ドイツ語歌唱の第4楽章は1973年、その他は全て1972年の録音と記されている。

冒頭の鈴から弦が入ってくるところ、やがて厚みを増し、木管がおどけ、葬送のトランペットが入り、と、ケレン味無く、このどちらかと言えば女性的な交響曲が、ごく真っ当に優美に展開される。
そのまま自然に終楽章を迎え、ロシア語歌唱は普段聴いているものと異なるわけで少し違和感を感じるが、そのうち気にならなくなる。そして、同じ歌手によるもので録音時期もそれほど離れていないからか、続けてドイツ語歌唱を聴いても余り音も変わらず、どちらが良いと言うことも無い、と言うより、どちらも大変良い。オケをぐいっと抑えて歌手を引き立てるような演奏で、解釈が一定、安定しているのだろう。そして歌が終わると、優しく柔らかく、心地よく終結して行く。
オケの抑え具合によるところも大きい気はするが、ピサレンコさん、素晴らしいのではないか。個人的にデラカーザ、グリストと並ぶ歌唱だと思う。

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