ロジェストヴェンスキーのショスタコーヴィチボックスを聴き終えて。

ロジェストヴェンスキーのショスタコーヴィチボックス、第15番を最後に、交響曲全集も聴き終えた。
15番は、何となく感じてきた音場の薄暗さがいちだんと増して、奥のほうから音が出てくる感じだ。鉦太鼓だけはどんどん前に出てくるのだが、過剰な強さでは無いのでまだ耐えられる。これはこれで曲の持つ謎めいた雰囲気は良く出ているんでは無かろうか。

全体を通してみると、交響曲全集では、14番が非常に良かった。6番もなかなか良かったと言える。5番や10番は、もっと好ましい録音が他にあるが、悪くない。
また、初期のものを中心とした管弦楽、オーケストラ伴奏の歌曲は大変面白く聴くことができた。他であまり見かけない曲が豊富で、資料的な意味でも値打ちがあるように思う。
交響曲の録音に関しては、弦の厚み、ふくらみに乏しく、金管を中心に中高域が張り出し耳に付く場面が多く、あまり好ましいものではなかった(交響曲以外でそれをあまり感じなかったのは、単にそれらが聴きなれていない曲ばかりだったからかもしれない)。しかし、そうした音の好みは兎も角、買って損の無いセットであることは間違いない。

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