ロジェストヴェンスキーのショスタコーヴィチ、第5番、第6番。

ロジェストヴェンスキーのショスタコーヴィチ、交響曲全集の序盤を聴き終えて、どうにも耳に刺さるような録音が苦しくて仕方が無いのだが、5番に関してはそうでもなかった。わりと穏当と言うか。もちろん第一楽章の行進の部分などは勢いあって歯切れよくなるほどと思わされるが、全般的にはここまで聴いてきたような破壊的な印象は無かった。終楽章のテンポ設定にも違和感が無く、オーソドックスな感じ。
5番はもう一度、じっくり聴くとして、次は6番。
この6番も、1~4番ほどの暴力的な音響とは異なり、といってもやはり弦の厚みやふくよかさが無いのは同様だが、あまり耳に痛くないものだった。序盤の穏やかでいながら不穏で不安を煽るような展開、もう少し暗い音色でもよいなとは思うが、悪くない。そう、ほかの録音も含め、緩楽章や弱奏部分は、やや線が細いもののなかなかに良い味があるのだ。
そして、これは曲自体の組み立てに起因するのだろうが、爆発的暴力的な場面は無いまま終盤へ。軽妙でリズミカルなクライマックスは楽しいもので、こちらがびびり過ぎていた所為もあろうが、いい感じで聴き終えることができた。むしろ、地味で取り留めの無いこの曲が、生き生きと感じられたようにも思える。

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