ベルティーニのショスタコーヴィチ、第14番。

ショスタコーヴィチの交響曲第14番には、「死者の歌」という題が付いている。ソプラノとバスの独唱が交互に現れる、マーラーの「大地の歌」の様な曲だ。マーラーの方は楽章ごとに明暗あり、楽しい場面もあるが、こちらは全体に「死」をテーマにした詩を取り上げており、陰鬱であまり聴く気にならない。
これまでも、コンドラシンとハイティンクの全集録音でしか聴いてこなかったのだが、たまたまガリー・べルティーニ指揮のディスクが特価になっているのを見つけたので、ライヴ録音と言うのは好みでないが、まあいいかと入手してみた。



ベルティーニの録音は他に持っていないのではないかと思う。マーラー指揮者として人気が高いが、全集は曲の割り振りが気に入らず購入していない。
さてこの演奏に関しては、まあ、曲への馴染みが薄いので大したことは言えないが、抑揚が効いており、歌手とのバランスよく、打楽器のアクセントも小気味よい。ところどころよく分からないノイズがあるのは残念だが、音質自体はよいのではないだろうか。歌手の方はと言うと、ディースカウはちょっと低い音程でしんどそうな場面はあるものの豊かな歌声で見事なものだし、女性の方もちょっとテンションが高すぎるように感じるところはあるが堂に入ったものだ。
ありがたかったのは最後に、拍手が収められていないこと。唐突に終わる曲なので、即、ブラヴォー、拍手だと、ひどく興ざめするところだった。

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