久々に聴くエアロスミス。

頭の中で突然フレーズが奏でられることが時々ある。
最近は、ギターソロの一部分が唐突に鳴り始めて、これは何の曲だったろうと一瞬考えてから、エアロスミスの「Crazy」だと気づいた。
そうすると、もう、聴かずにいられなくなり、CDを引っ張り出してMP3を作るのだが、一緒に並んでいるエアロの他のCDもついでにやっておこうと思い立ち、5枚ほど一気に変換した。
その5枚と言うのは、一度バンドが崩壊して、立ち直ってからのもので、年代順に、「Permanent Vacation」「Pump」「Get A Grip」「Nine Lives」「Just Push Play」だ。それ以前の彼らの作品にも、もちろん名曲はあるのだが、復活後のこれらの作品の方が素晴しいと思う。



「Permanent Vacation」の「Angel」、美しいメロディラインと、スケール感の大きさ。「Pump」は粒ぞろいだが、中でも「The Other Side」の黒さとノリのよさは格別だし、一方「What It Takes」の枯れた味わいの中から滲みだす叙情性もたまらない。
そして「Get A Grip」、このアルバムは「Crazy」につきる。ここでのジョー・ペリーのギターソロがジェフ・ベックっぽいですねと言うインタビューに、ジョーが「光栄だ」と答えていたのは、ギターマガジンの記事だったろうか。確かに「People Get Ready」を想起させるが、エアロらしい明確なと言うか分かりやすいというかツボを外さないかっこいいフレージングは、ジェフ・ベックには無い魅力だ。
「Nine Lives」はこれらの中では個人的にちょっと評価が下がり、「Just Push Play」もアルバム全体としては高い位置に置けないが、「Jaded」は彼らの最高傑作では無いかと思う。ビートルズの曲を歌ってオーディションを受け、典型的なハード・ロックのスタイルを確立し、時にはブルージーに、時にはブラックに表層を変えながら走り続けて(小休止はあったが)、レベルアップして名作を出し続けた果てに、キャッチーでポップで美しく、そして短い可憐な名曲に行き着いた。
あれだけ色々やってて、まだ高く上れたのか、未だ奥行きが隠されていたのかと、受けた衝撃が未だに忘れられない。

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