ショルティのマーラー第4番。

ショルティとシカゴ響のマーラーの4番、どうやらそろそろ流通在庫しか残っていない様子だ。
歌唱はキリ・テ・カナワ。高名な人でオペラに興味の無い私でも昔から名前は知っているほどだ。昔、日本のCMで彼女の歌が使われていたような記憶もある。



マーラーの交響曲の中では小振りで可憐な作品だ。演奏によっては散漫に感じられるので、可憐さが多少損なわれても、押し出しの強い厳しい演奏の方が聴いていて充実感がある。といってもクレンペラーだと重すぎるか。ハイティンクとコンセルトヘボウ管の新しい方とか、フリッツ・ライナーとシカゴ響のものとかが丁度良い。歌唱だけならバーンスタインの旧全集のレリ・グリストも素晴らしい。
で、ショルティとシカゴだから、硬派で強め、堅牢な仕上がりに違いないと思ったところその通り。鈴の音が他の色々な録音より低いと言うか、鈴の材質が違うような感じだったりするのはさておき、大排気量の強力なエンジンを積みながら控えめな速度で走っているスポーツカーの様な余裕を感じる演奏というかなんと言うか。
そしてキリ・テ・カナワの歌声も期待通りの美しさではあるが、低い音程のところが若干伴奏に埋もれてしまうのが惜しい。オケの力が強すぎるのだろうか。

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