クラシック好きを増やすには。

先般NHK-BSでザルツブルク音楽祭の放映があり、内田光子さんの演奏を録画したのだが、連休中の昼間に再生していたら、シューベルト、シューマンはまあ地味な曲で淡々と聞き流したのだけれど、シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」が始まると現代音楽嫌いの妻がむっとし始めるし、私とてこれを音楽として愛でられるほどの素養は無いので苛々してくるしで、相変わらず我が家では現代音楽はタブーだなと再確認した。
現代の作曲家の作品は現代音楽なのかと言うと、そう言いきれない。例えばショスタコーヴィチは現代の人だが多くの作品は現代音楽と呼ぶよりはクラシックの延長線上にしっかりと立脚している。室内楽には現代音楽的で受容し難い作品があるが、交響曲は作品により好みの差はあれ愛でることができる。



自分の中ではこの様に自分なりに整理しておけばよいのだが、例えば人に勧めて聴かせる時等、ショスタコーヴィチをどう伝えれば良いのか。旧ソヴィエトのクラシック音楽、と言っても、旧ソヴィエトをよく知らない世代が増えている。20世紀の音楽家、であることは間違いないが、それなら現代音楽作家と言ったほうが、理解しやすいようにも思える。が、実際に聴いていて少なくとも彼の交響曲を現代音楽と呼ぶのは躊躇われる。
とか言いながら、先日、クラシックを聴いて見たいという若い部下に、私のお勧めとして、ベートーヴェンの交響曲第7番、マーラーの交響曲第9番、ショスタコーヴィチの交響曲第5番などを挙げたのだけれど、律儀に聴いてみてくれた彼にはどれひとつヒットしなかったそうで。現代音楽と呼ぶべきか、クラシックで良いのかとか迷う以前の問題だった。悲しいけれど、自分に当てはめてもバルトークやストラヴィンスキーをお勧めされたって面白いはずが無いので、職場でのクラシック音楽の普及は諦めた。

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