カラヤンのマーラー第9番、ライヴ録音。

amazonでイギリスから取り寄せたカラヤンのマーラー第9番。巷間、カラヤンの9番ではこのライヴの方が評判が良い。セッション録音の方を先般聴いて、ゆったりと大きく優美に作り込まれてはいるものの、へまをやらかしたようなところが目立ち、高い評価は出来なかったのだが、世評通り、このライヴの方が出来が良いだろうか。



冒頭、非常に音が小さい。普段より2単位ヴォリュームを上げても聴こえない。強弱の幅が非常に大きい録音だ。かつ、第一楽章はゆったりしているので、しばらく何をしているのかわからない場面に出くわす。
第二楽章も腰の据わった演奏というか、ゆったりと朗々と進んで行くが、速いところはぐっと加速する。強弱のみならず緩急のメリハリもしっかりとつけました、ということか。
よって第三楽章はスピーディに展開。後半で一気にテンポを下げ、最後にまた巻きが入って、ドラマティックに終楽章へ繋げる。
その終楽章、冒頭部分に個性が出る。出だしからいったん切れるその末尾、ターラーラーとやったり、前から引っ張ってーーラーラー、だったり色々だが、ここではーーーラー、と処理している。なかなか他で聴かない感じになっていて面白い。そしてそこからはベルリンフィルの見事なアンサンブル、ひたすら整った豊饒な流れに身を任せることになる。セッション録音でおかしかったところも危なげなくクリアしている。

全体を通し、世評通り、2年前のセッション録音よりも完成度が上がっている。裏で鳴っている楽器が飛び出してきたりして、ライヴとは思えない感じもあり、マイクのセッティングなど、さぞ周到に綿密に準備がなされたに違いない。満を持しての演奏であり、リリースだったのだろう。ただ、好みの問題だろうが、自分にはちょっとゆったりし過ぎとは思うが。

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