ハイティンクのショスタコーヴィチ第12番。

特にきっかけや理由があったわけではないのだが、何となく、ショスタコーヴィチの交響曲の中で日頃余り重視していない11番、12番を聴いてみたくなった。
ハイティンクの全集から選び、DAPに移して久々に聴いてみると、11番は相変わらず特に面白くなかったが、12番はこんなにカッコ良かったっけと、意外や、心を動かされてしまった。



最高傑作かもしれない10番と、歌入りの13番、14番に挟まれ、11番と12番はやや格落ちに見える。どちらもソヴィエトの革命を賛美する(と捉えられる)標題音楽であることも、色眼鏡で見られやすい要因だろうか。自分ではそんな意識はないのだが、知らず知らず、体制に無理に書かされた駄作だと見下しているのかもしれない。
11番の題は「1905年」、ロマノフ王朝が民衆を虐殺した血の日曜日事件の年だ。革命に関連する歌が引用されていたりするのだが、もと歌に明るくないのでそのあたりは良くわからない。ただ、何度聴いても余り印象に残らない。
12番は「1917年」で、これは世界史で必ず暗記される年、ロシア革命だ。いつもそんなことは意識せずに聴いているのだが、今回、兎に角フレージングというか、やたらとカッコいい旋律が散りばめられているじゃないかと、はっとした。ハイティンクとコンセルトヘボウのコンビで、どちらかと言えばふくよかな音を連想するのだが、ここではスピード感あふれ硬質できびきびと勇ましい。演奏のおかげもあるのだろうが、それにしても同じ録音を何度も聴いているのに突然良く思えるようになったのは何故だろう。違うディスクを聴いて目から鱗が落ちると言うのは間々あることなのだが。

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