バーンスタインとNYPのマーラー第7番。

バーンスタインの旧・マーラー全集、8、4、2、3番と、歌が入った曲を一通り聴き終えた。
オンラインショップでは軒並み売り切れているが、amazonでは6月に再入荷するようだ。しかし、売価は2倍近くに跳ね上がっている。バーンスタインをあまり好まない自分にとってさえ音も演奏もなかなか好ましいものなので、買っておいて良かったと言えるだろう。逆に、バーンスタインが好きだと言う人には、物足りないかも知れない。

全て聴き終えていないが、ここまでのところ全般に録音、リマスタリングは良く、1960年代とは思えないほど、聞き苦しいところが無い。これまで筋肉質だが細身でふくよかさに乏しいと思っていたNYPの音も、中低音が美しく捉えられているおかげか、豊かに聴こえる。演奏も、バーンスタインとベルリンフィルとの9番ほどどろどろぐしゃぐしゃではなく、かといって恬淡と枯れているわけでもない、適度なものと思える。
ただ、何故か何処かで不意に破綻すると言うか、乱れると言うか、飛行機に乗っていて一瞬エアポケットで沈む様なと言うか、バランスを失する様なところがある。それが後に更に顕著になるのであろうバーンスタイン的な情念の迸りに因るものなのか如何かは定かでないが、個人的には予兆の様に感じた。



さて、残る歌の入らない交響曲6曲の中から、まずは7番を聴く。録音、演奏の傾向はここまでと変わらない。75年録音の10番以外は、60年代に集中的に吹き込まれているので、それほど激しい変化は無かったのだろう。
で、ずっと聴き続けて奇妙なところは無いなと思っていたら、最後の最後で鳴り物などチリチリドンドンと思い切り羽目を外してくれて、こんな曲だったっけと思うほどにちょっと驚いた。

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