バーンスタインとNYPのマーラー第4番。

ゆったりと始まる。といっても落着いた構えであって、粘着質ではない。
低音そのものはぼやぼやしているが、中低域と言うか、低めの弦など非常に豊かに響いていて、その中から金管や鳴り物が鮮やかに飛び出す。リマスタリングはもちろんだが、録音そのものも良いのだろう。ただし、環境音や、場面によっては咳までしっかりと収められているし、また、ホワイトノイズはそこそこある。
4番はマーラー作品中ではどちらかと言えば可憐な曲だが、ちょこまかと変化に富んでいて、軽めの演奏だと散漫に感じてしまうことが多い。こうした厚みのある演奏、ハイティンクなんかも同様だが、この方が好ましいと思う。
終楽章のソプラノはレリ・グリスト。張りがあり、伸びやかで、力みを感じさせぬまますうっと歌い上げる。これは、文句なしに素晴らしい。歌唱だけなら手持ちの中でベストだ。
ただ、この素晴しい歌唱に引っ張られたのか、負けじと力んだのか、オケの音量が妙に上がりすぎるような場面があり、些か調和を乱しているのが残念。

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