バーンスタインとNYPのマーラー第2番。

半信半疑で聴き始めたバーンスタインのマーラー全集、4番がなかなか良かったので、続けて歌入りの曲、第2番を聴く。
冒頭から、溜める演奏だ。メータもマゼールも溜めるが、この録音は、4番同様中低音が強いので、尚のことどっしりとした迫力と安定感がある。元々くどい曲であるから少々軽く演奏したとて効果は薄く、いっそ思い切りどろどろとやってしまったほうが突き抜けて良いのかもしれない。
とは言え、やはりクレンペラーやショルティの、かっちりと堅牢に組み上げた城砦のような録音の方が個人的には好ましい。
なんてことを考えながら聴き進み、第4楽章で歌唱が加わり、これもなかなか良い感じで、期待していた以上にいいじゃないかと思ったら、終楽章での緩急や強弱の付け方が妙にあざといと言うか極端で、ちょっと醒めてしまった。特に、テンポアップするところのアップの仕方が激しすぎる。ショスタコーヴィチの5番でも同様だが、早回しをしているかのようなスピードで、往年のアニメ「トムとジェリー」とか、無声の喜劇映画とかの追っかけっこのBGMにちょうど良さそうな。ちょっと、緊張感と言うか集中力が切れてしまうなあ。他は概ね素晴らしいだけに残念。


コメント

人気の投稿