バーンスタインとNYPのマーラー第1番、第10番。

第1番は1966年の録音。ごく普通、というのが感想。ワルターとコロンビア響は第1楽章の森の気配が素晴しく、マゼールとVPOは第2楽章の舞楽がこの上なく流麗で、クーベリックとバイエルンは第3楽章の諧謔性が秀逸だが、それらのようにどこか突き抜けた光るところは無く、かといって悪いところも無い。また、ジュリーニの録音のようにマーラーではない何かを聴いている様な気になることも無く、ごくごくオーソドックスな1番の演奏としか思えなかった。
60年代の時点ではバーンスタインもそれほど感情を表に出していなかったのか、あるいは自己主張をふんだんに盛り込むほどにはマーラーを掴みきれておらず安全運転をしていたのではないか、等と、勝手に勘繰ってしまう。

なぜか一曲だけ離れ、8年ほど間を空けて75年に録音された第10番アダージョは、多少変化しているかと思ったが、そうでもない。落ち着いたテンポでじっくりと進み、少しねちっこさが増したような気がするが、あくまで気がする程度。極端にタメを作ったり何か爆発するような場面も無く、ここまで聴いてきたものと同じ傾向だった。

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