OSAKA CYCLE TOURの駄目だったところ。

2012年3月18日に開催された「大阪サイクルイベント」のメインイベントであった「OSAKA CYCLE TOUR」に参加してみての感想。同じサイクリングチームの皆さん、別々に申し込んだので会場への出入りも出走時間もばらばらだったのだが、やはり感想を聞いたので、それも含めて記録しておく。
「OSAKA CYCLE TOUR」は、大阪市の人工島、舞洲、咲洲、夢洲の有料道路や海底トンネルを含む道、30kmを走るサイクリングイベントである。当日は曇りの予報で、初期スタートの組は雨に降られなかったようだが、時間帯別の出走で丁度真ん中あたりに当たった私の組は、ほぼ雨の中を走ることとなった。
以下、お金を払ってエントリーした参加者として、同時に、商売上イベント現場に関わったことのある者として、思ったこと。

●開催時間の設定

大阪府下在住のチームメンバーさんの場合。プレミアムコースに申し込み。現地での受付時間が午前7時10分までとのこと。しかし、居住地からは、JRの始発に乗ってもその時間までに辿り着くのは無理。車で行くしかないが、このイベントのための交通規制に引っかかるので、自動車だともっと早い時間に現地入りしなければならない。ということで、「次回は参加しない」と断言。

私自身は受付が7時半から8時までだった(8時55分出走にしては、受付終了の8時は早すぎるとは思うがまあいいだろう)。もう少し遅い時間であれば、のんびり自宅から自走もできたが、遅れてはしゃれにならないし、普段走らない道を走ることもあり予測が立てにくいので、公共交通機関を使ったほうが安全だろうと思った。それで、輪行することにした。自宅から最寄り駅は自走、最寄り駅で自転車を輪行袋に包んで乗車、行先で下車して自転車を組み立てなおし、再び自走、という計画だ。
そうすると、6時には最寄り駅に着いている必要があった。7時前に南海の住吉大社駅に着き、そこから自走でインテックス大阪へ。その方が、難波から地下鉄を乗り継ぐよりも早かったと思う。自転車を輪行袋に仕舞う、また出して組み立てる段取り、時間も必要なので、自走してまた何かに乗って、という繰り返しは避ける必要もあり、そこを最小限にもできたので、これ自体は正解だった。

シマノ鈴鹿ロードレースの場合だと、駐車場が用意されていて、エントリーフィーで駐車券がもらえるから、ほとんどの人は自転車を車に積んで会場入りする。サーキット内のイベントで、公道を使わず交通規制も無いので単純に比較はできないが、今回のイベントでも何処かに駐車場が用意されていれば、ましになったのではないか。
あるいは、陸の孤島で交通の便が悪くしかも交通規制のかかる人工島側でなく、住之江公園あたりに駐車場と受付とスタート地点を確保するとか、何かやりようはあるのではないか。尤も、それ以前に出走時間を一番早い組で10時ぐらいにしておくだけで、随分印象は違っただろうが。

●会場の設定と導線について

インテックスに着くと、正面から入ってエントリー受付のカウンターを眺めながら素通りを強制され、まずは奥の6号館へ駐輪をしに行かねばならなかった。人が行きかっており、どっちに行って何をすべきか分かりにくかった。運営側もそれには気づいていたようで、拡声器で受付前に駐輪するよう呼びかけていた。そうなる前に、先に建物の外側を通らせてさっさと6号館に駐輪に行かせるよう設定しておくべきだったろう。
また、手荷物預かりが6号館側にあり、駐輪したついでで受付前に手荷物を預けてしまうと、面倒なことになりそうなのが気になった。受付時に思っていた以上に色々と荷物になるものを渡されたので、もしかすると、預けた荷物を受け出し、受付でもらったものと一緒にもう一度荷物を預ける、と言う羽目に陥った人がいたのではないだろうか。
ともかく、入場~駐輪~受付~手荷物預かりという流れが、あちこち往復させること無く一本道になっていれば、もうちょっとスムーズになったはずだ。とはいえ、ここは分かりにくかっただけで、後の問題に比べれば大したことは無い。

●スタートとコースについて

あまり問題は無かった。雨天でなければ、海辺を心地よく走れただろう。レースに出るようなロード乗りにはペースが遅すぎて不満だったろうが、老若男女が入り混じった参加者を適度なペースで誘導しておられたプロの競輪選手やサイクリング協会の皆さんは素晴らしかったと思う。また、ちょっと数が多すぎたかもしれないが、氷雨の中沿道に立っていたイベントスタッフ、ボランティアの皆さんにもご苦労様と言いたい。
ただ、「雨で滑りやすくなっているので下車して自転車を押して歩いてください」という個所が終盤にあったが、ロード用のシューズで歩く方がよっぽど滑りやすいですから!と言いたかった。ほんとに滑って転んだんだが。
それと、ゴールも同様に降りて押して歩くと言うのは、最後の最後で爽快感が無く、ちょっとがっかりだった。

●完走後の段取りについて

ここが最悪だったと思う。参加者がやることは以下の3つ。

1)アンケート用紙を入手し、回答を書く
2)アンケートと引き換えに完走証と記念品を受け取る
3)(預けている人は)手荷物を受け出す。

まず、1)の、アンケート用紙をもらって用意された記入用のテーブルに辿り着くまでの行列があった。ここに並んでアンケートを書いたのに、次にどこに並べばよいのかわからないと言って右往左往している人たちがいた。私はと言うと、とりあえず腹が減ったので売店でお菓子を買って食べたりしてから並ぼうとしたのだが、アンケート用紙をどうやって入手するのかさっぱり分からずちょっと悩み、とりあえず恐らくその1)の行列だろうと思われる列の最後尾に並んだ。
すると、スタッフの若者がアンケート用紙と鉛筆を渡してくれて、何故かそのまま2)の列につながっていた。ただし、途中で別の列と合流する場所があり、随分と混雑し時間がかかった。合流したもうひとつの列は、アンケート記入のテーブルからの列だろうか、一体何の列だったのかは分からなかった。結局並んでから記念品等を受け取るまで、30分以上はかかったと思う。そして3)の行列、こちらは1時間ぐらいかかったろうか。

そして、この間、全ての出入り口、搬入出口を全面開放された建物内にはまったく暖房が施されておらず、雨の中を1時間半走ってきた参加者は、震えながら行列に並んでいたわけだ。雨が降るとは思ってもいなかったのか、雨天時の用意があったのか、そもそもこの時期の天候をどの程度調べて日程を設定したのか、色々疑問はあるが、予想最高気温と予想天気から、暖房が必要になることは想定できたはずだが、そこのところはどうだったのか。
てっきりこの建物には暖房がないのか、空調を動かす契約がなされていないのかと(そんなことがあるのかどうかは知らないが)諦めていたのだが、運営側の詰め所からは暖房によると思われる暖かい空気が流れ出してくるのを肌で感じて、ちょっとぶち切れそうになった。

あんたたち、現場判断とかできないの? 状況に応じて何かするとか、そういう当たり前のことを求めてはいけないような駄目な人の集まりなの? そんな人たちは、何が起こるかわからないイベントの現場仕事に携わっちゃ駄目でしょ?

怒りを抑え、ちょっと落着いて考えてみても、人によって差異はあろうが1時間~2時間は行列に並んで過ごさねばならなかったわけで、果たして走行を終えた参加者の動きがシミュレートされていたのか、それを元に人員配置を行っていたのか、大いに疑わしい。
おそらくは併催のメーカー展示などをゆっくり見てもらうという前提で、一度に皆が荷物を受け出そうとしたり、帰る用意をするとは思っていなかったのだろうが、それなら尚のこと、暖房でも入れないと、濡れたままで風邪引いちゃうしとっとと帰ろうと思うでしょ、と(こういうのは想像力の問題ですわな)。完走証はただの紙切れだし、記念品は下記のようにどうでもよいものだったので、そっちはパスすることができるとしても、預けた荷物はそのままにして帰れないし、展示を見る前に濡れたウェアを着替えようにも着替えは預けた荷物の中にある、と言う人もいただろうし。

もし次回があるとして、開催時間とか、受付の体制とか、人員配置などは今回の反省を踏まえて改善できるだろうが、現場で臨機応変に対応すると言うのは、目配り、気配りのセンスや、参加者を思いやれるかどうかと言う問題になってくるので、同じ人々が運営に携わる限り期待できないのではないかと思った。風が吹き込まないように、せめて空けておく必要の無いシャッターは閉めようとか、なんで思いつかないのか不思議で仕方が無い。
ひょっとして、ここで暖房を入れると光熱費を追加請求されて利益が圧迫されるから暖房入れちゃ駄目、という判断でもあったのだろうか。主催者側に市か府かどっちかが関わっていたと思うが、橋本市長か松井知事に聞いてみたい。

●記念品について

他の部門の景品については分からないが、スポーツサイクル部門の完走記念品は、どう考えてもただの軍手(DeFeetのデュラグローブに似ているけれど、価格的にそんなに良いもののはずが無い)にしか見えない。BEAMSデザインの軍手。一般部門の景品ならBEAMSで喜ぶ人も多かったろうが、スポーツサイクル部門で、BEAMSのブランド価値はいかほどのものだろうか。BEAMSに支払っている額を景品そのものの金額に回せば、もうちょっとましな景品になったのではないか。あと、バナナはうれしいけれど、帰りよりも出走前に希望者にだけプレゼントでもよかったのでは?

●余談だが

このイベントとは関係ないが、インテックス大阪の売店で売られている「サーターアンダーギー」はなかなか美味かった。さらに、「ソフトドーナツ」はもっと良かった。走り終えて空腹と言う最高の条件だったけど。

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