ワルターとNYPの大地の歌。

五十肩の影響で首までおかしくなっている。どうにも我慢できず、鍼灸院でじっくりやってもらおうと金曜は有給休暇をいただいたのだが、木曜の晩からどうも風邪を引いた気配があり、金曜の朝には症状が出てしまった。この状態でお年寄りの多い鍼灸院に出向くのはバイオテロにも等しいので諦め、週末を、ズッカーマンとナイクルグのベートーヴェンを聴いたりしながら、薬を飲んで寝て過ごした。
で、月曜の朝、まだ風邪は残っているが出勤。ワルターのマーラーは大地の歌を残すのみだが、朝から聴くのはいかがなものかと思い、ポリーニとベームのベートーヴェンの5番にした。

そして夜、いよいよ大地の歌を。
オケはニューヨークフィルハーモニック。歌唱は、メゾソプラノがミルドレッド・ミラー、テノールがエルンスト・ヘフリガー。ワルターの大地の歌と言うと、どうしてもキャスリーン・フェリアーが歌った、ウィーンフィルとの録音ばかりが取り挙げられるが、自分にとってはこちらの録音こそが大地の歌体験の原点だ。
第1曲、オケの音にちょっと違和感があり、位相が安定していないのか。音が増えると濁るし、歪も感じる。しかし、ヘフリガーの歌声が良い。軽いと感じられるだろうが、力が無いわけではなく、何と言えばいいのか、無駄に深刻に響かないのだ。ミラーの声も、適度な強さ、張りを持ちつつ、野太くなることが無い。ただ、惜しむらくはオケとの音量のバランスがいまいちで、歌唱が前に出て来にくい。3,4,5曲目あたりの、オケの音量があまり上がらない場面が多い曲では、のびのびと歌声が響いて良いのだが。ちょっと残念だ。そして終曲は、わりと淡白と言うか、小ぢんまりとしながらも、じっくりと、暗く、落ち込んでいく。

今回、2番、9番はいまひとつと感じたが、自分にとってのマーラー体験の原点と言うべきコロンビア響との1番はまずまず楽しめた。この大地の歌も、今となっては手持ちの中でベストではないが、悪くない。

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