次は「神鵰剣侠」。

「射鵰英雄伝」を読み終わると、当然続編である「神鵰剣侠」(原題は映像ソフトなどと同様、「剣侠」ではなく「侠侶」となっている)に手が伸びる。



前作のヒロイン黄蓉は父親の影響で世間的な常識やモラルを全く気に留めないが、感性と言うか精神はいたってまともであり、その言動には共感できるところが多い。しかしこの続編のヒロイン小竜女は、墳墓の中で修行に明け暮れ育ったため仕方が無いとは言え思考も言動も余りに奇矯でただただ唖然とするしかない。
主人公の側を見ても、前作の郭靖は愚鈍だが誠実で真っ正直であり、黄蓉との組み合わせもうまく嵌っていたが、今作の楊過は小竜女ほどではないにせよエキセントリックで、二人揃うと、勝手にやってろと言う感じになってしまう。
加えて、出てくる武術がますます荒唐無稽になっていたり、可憐だった黄蓉が年を経て保守的になっている上に前作では冴えていた機転がマイナスに働いてばかりの残念なキャラクターと化していたり、前作よりどうしても出来が落ちている。だが、それでもまずまず面白いので止められない。尤も、この面白さは前作の主要キャラクターの再登場に負う所が大だとは思うが。

コメント

人気の投稿