ナタリー・クラインのブラームス。

マーラーやショスタコーヴィチの交響曲が好きなわけだが、そればっかり聴いていると食傷気味になることもある。バーンスタインとNYPのマーラー全集が届く前に、ちょっと毛色の違うものを聴こうと思い、室内楽に手を伸ばした。最近の女流チェリストとしてはなかなか人気が高いらしい、ナタリー・クラインの、2004年にリリースされたデビューアルバムで、ブラームスの2曲のソナタと、シューベルトのアルペジオーネ・ソナタを収録している。ピアノはチャールズ・オーエンと言う人で、1990年代にイギリスでいくつかの賞を取っている人。イギリス期待の気鋭同士の組み合わせといったところか。

 

ブラームスのソナタの第1番、冒頭から厚みのある響きがぐっと迫る。アタック音と言うか、弓があたる音、吐息など、克明に捉えられていて、EMIらしい曇りはあまり感じさせず、演奏の迫力が生々しく伝わってくる。けして派手さは無い曲だが、聴く者をぐいぐいと引き込む力があり、飽きさせない。この録音、演奏の傾向は、2番も変わらず。

アルペジオーネ・ソナタは、ロストロポーヴィチとブリテンによる録音を昔買って、今も持っているはずだが、滅多に聴かない。久々に聴くことになったが、曲自体が纏うちょっとべたつくようなメランコリックさは相変わらずくどく感じる。

コメント

人気の投稿