ボリス・ペトルシャンスキーによるショスタコーヴィチのピアノ独奏曲全集。

前から気になっていたが、タワレコの店頭で見つけて、しかもえらく安かったので買ってしまった。ショスタコーヴィチの、作品番号の無いものまで含んだピアノ独奏曲全集だ。演奏はボリス・ペトルシャンスキー。1949年モスクワ生まれでイタリアに帰化している。

リンク先はオリジナルのセットだが、現在は「Piano Classics」と言うレーベルから廉価ボックスが出ている。買ったのはそっちの方。



ショスタコーヴィチの室内楽は交響曲に比べるとどれも大抵晦渋で暗くて、楽しめないと言うか、あまり聴き返すことが無いので、自分の評価そのものに確信と言うものが欠けている。
この分野の代表作である「24の前奏曲とフーガ」など、物珍しさで買ったキース・ジャレットの録音しか持っておらず、しかもそれがどうにも穏やか過ぎて好きになれない。あるいはソナタの2番は、手持ちのCDのどれかにフィルアップで収められているのは覚えているが、奏者すら思い出せず最期にいつ聴いたかも定かでない。

そんな、苦手な分野ではあるが、聴いて見ると、まず90年代以降の録音なので音は良い。ちょっと金属的に響き過ぎるかなと言う場面もあるが、デジタル録音でピアノ独奏だとこんな風になりがちなので、気にするほどではないだろう。
ペトルシャンスキーは日本でもレッスンやリサイタルを行っていて、そっちは評判が良いようだが、この演奏のほうは、あまり高い評価は得られていないように見受けられる。しかし、このセット以外ではなかなか聴く事ができない曲があれこれ収められていて、非常にありがたいものであることは間違いないし、それを差っぴいても、少なくとも自分には悪い演奏とは思えない。
少なくとも「24の前奏曲とフーガ」に関しては、キース・ジャレットの禅味漂う枯れた演奏よりは(あれはあれで好む人もいるのだろうが)、こちらの方が生気に満ちていて聴きやすい。

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