ワルターとコロンビア響のマーラー1番。

朝、デジ・ハルバン歌唱の「若き日の歌」でも聴こうかと思ったが、寒いながら晴れた天気には似合わないと思い、1番を聴くことにした。あまり金の無い学生だった頃、LPレコードでずっと聴いていたのが、この、ワルターとコロンビア交響楽団による、マーラーの交響曲第1番だった、と言う話は、何度か書いている。マーラー以外も聴くしロックも聴くしで、同曲異演を集めると言うことは無かったから、長らく唯一の1番だった。
CDに移行してからはずっと手持ちに加えず、そのうちにと思いながら20年ほど経って、ようやく今回発売された廉価ボックスセットで再入手したわけだ。

モノラル時代の録音と比べると、テンポはゆったりしている。強奏時や楽器が増える場面では混濁気味になるが、概ね録音は良好だ。鳥が鳴き、森にいるような感覚が蘇り、ああ、これだったなと思い出したような気になる。1番はそれほどたくさん色々聴いてきていないが、第1楽章のこの空気感は、他の録音ではこれほど豊かに感じられない、と考えるのは思い出による補正だろうか。
第2楽章は戦前からの大指揮者らしいゴージャスな雰囲気で過ぎ、第3楽章はモノラルのものほど落着きすぎず良いのだが、クーベリックの全集で聴けるような猥雑さはやはり無い。そして終楽章は強弱、緩急の付け方が明快で、スケール感たっぷりに盛り上げる。

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