コンドラシンのショスタコーヴィチ4番。

引き続き、コンドラシンとモスクワフィルによる全集から。



これを発表したら命が危ない、ということで、長くお蔵入りになっていた曲。要はわかりにくい作品はあかんということで、そのあたりの事情はWikipediaに詳しい。
公開されぬまま続く5番が国家と人民に受け入れられてショスタコーヴィチは危機を脱したのだが、この4番がそこまで難解だったり晦渋だったりするかというと、やはりショスタコーヴィチらしい聴かせどころがちゃんとあってそれはもうストラヴィンスキーとかバルトークなんかに比べれば遥かに聴き易い(平易と言う意味ではない)と思うのだが、当時のソ連では無理だったんだろう。
で、初演まで25年間秘され、1961年、コンドラシン指揮モスクワフィルが初演を担った。ムラヴィンスキーに頼んだが断られたという。そんなコンビの録音だから、演奏そのものは良いも悪いも何も、これが基準。やはり他の曲と同様、締めるところを締め、走るところは走る。旧ソ連の演奏だからと言って徒にどっかんどっかん五月蝿いわけではなく、驚くほど抑制の美を感じさせたりもしつつ、爆発させるところはドンと行く。録音の悪さは(他のものよりは多少ましだとは思うが)我慢するしかない。

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