今年最後の通勤もマゼールを聴きながら。

12月25日は休日だが街に出たので行き帰りにマゼールのシベリウスを聴いていた。
「フィンランディア」「カレリア組曲」「悲しきワルツ」「トゥオネラの白鳥」、そして、交響曲第一番。
30枚組みセットでのシベリウスの録音は全てピッツバーグ響とのもので、録音時期は1990~92年。アメリカのオケにしては、歯切れや金菅のパリパリした感じに乏しく、響きがまろやかで、スモーキーというかちょっとくすんだ味もある。マゼールの指揮は、ウィーンフィルとの録音などと同様に少しゆったり目で、それらが相俟って、柔らかく、ふくよかに音楽が形成されていく。とはいえ、それで例えばフィンランディアの雄雄しさが損なわれたりはしない。

12月26日、朝はシベリウスの3番。比較的こじんまりとした曲だが、やはりゆったりと、しかし力強く、時には軽快に、聴き応えのある仕上がりだ。帰りは4番、晦渋と評される曲で実際その通りで、そこを何とかしようとしているような、温かい場面やゆったりとした場面はあるものの、やはり晦渋なままひっそりと終わっていった。

12月27日、今年の仕事納め。朝はシベリウスの5番。雄大なスケール感溢れる曲で、これこそ一連のマゼールの指揮が見事にはまっている。ゆったりと大きく、穏やかでありながら意気軒昂。惜しむらくはもう少し太鼓などの低音がくっきり前に出てきて欲しいが、そのあたりも含めて全体にまろやかな響きが功を奏している面もあろうから、トレードオフということで我慢すべきか。
帰りは6番。これも雄大で大らかで素晴らしい。

コメント

人気の投稿