マゼールのレスピーギとベルリオーズ、そして「英雄の生涯」。

引き続きマゼールを聴いている。12月16日の通勤は、行きがベルリオーズの「幻想交響曲」で帰りがレスピーギの「ローマ」三部作。どちらもCDは持ってはいるがそんなにしょっちゅう聴かないから他の演奏と比較しての善し悪しを語るのは無理だ。
「幻想交響曲」は1977年、クリーブランド管とのもの。録音はまずまず良く、多面的に展開していく曲の表情を生き生きと奏でてはいるのだが、如何せん曲そのものがあまり面白くないというこれまで持っている印象は覆らなかった。

「ローマの松・噴水・祭」は94年、ピッツバーグ響との録音。これも目まぐるしい曲だが、幻想よりはオーケストレーションは派手だし幾分面白い。

12月18日は休みだが市街地に出たので電車の中で「英雄の生涯」を聴いた。30枚組みの中に、この曲は2種類納められており、これはクリーブランド管との77年の録音の方。
これが、凄かった。冒頭から力感あふれる弦楽合奏が鮮やかに立ち上がる。金管の鳴りの伸び、ブリブリと震える唇、非常に生々しく伝わってくる。ヴァイオリンソロも、フルートやピッコロも、繊細な音は繊細に、時に優しくときに鋭く現れる。緩急強弱大小が大胆にコントロールされ、それが見事に捉えられている。77年と言うことはまだアナログ録音だと思うのだが、これほどの音が記録されているとは。

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