まだまだマゼール。

12月14日。行きはドビュッシーの「海」と「ノクターン」。これらも昔からデュトワ指揮モントリオール管でたまに聞いているぐらいなのだが、色彩感豊かな曲で、ちょっととりとめのなさもあるものが、ウィーンフィルだとやはり近代から現代へつながるあたりのわけのわからなさとか奇矯な要素がうまく丸め込まれて堂々とした名曲になってしまうような感じがある。
帰りはチャイコフスキーの交響曲第6番。1980~81年、クリーブランド管との後期交響曲録音の中のひとつ。一般にこの曲がチャイコフスキーの代表作なのだが、個人的には4番の方が好きで、あまり好んで聴くことがない。ちょっとだるい気がする。しかし、2楽章あたりの美しさはなかなかに素晴らしい。

12月15日。行きはチャイコフスキーの交響曲第5番。バーンスタインとNYPの全集、ムラヴィンスキーが西側に来てグラモフォンに吹き込んだ後期3曲のアルバム、ムラヴィンスキーのライヴ盤など持っているものの、それほど聴き込んでいる曲ではない。
6番では特に感じなかったのだが、ちょっと位相がおかしくなっているのかなと言う瞬間はあるものの、非常に立体感のある録音で、曲の組み立てが浮き彫りになるかのように聴こえて来る。もちろん音の鮮度は最新の録音には及ばないが、アメリカのオケらしい、適度に厚みがあり、適度にきらびやかな演奏がよく捉えられていると言う気がする。レコードと言うものは指揮と演奏と録音(ミキシング、マスタリング含め)が三位一体となって生まれる芸術だと、あらためて思う。今まで感じ取れていなかった曲の美しさも伝わってきたようだ。
帰りは交響曲第4番。好きな曲なのだが、考えてみると、結局冒頭のファンファーレのような戦争映画のテーマ曲の様なものに惹かれる癖があるのだろうか。ショスタコーヴィチの5番の終楽章なんかもそんな入り方で、リビングで聴いていると妻に「映画音楽みたいだ」と言われたりするのだが、おそらくそういう嗜好なのだろう。これも、ちょっと曇った感じはあるものの十分に立体感のある録音で、しかも硬軟、緩急、陰陽のメリハリの利いた小気味良い演奏。ムラヴィンスキーの峻厳さからすると全体に軽いことは否めないが、けして悪くない。

さてここまでで聴き終えたディスクはと言うと、こんなところ。

Disc6:1812年など戦争もののうち、「ウェリントンの勝利」以外。
Disc8:ドビュッシー管弦楽曲集
Disc9:グローフェ「グランドキャニオン」他
Disc10:ホルスト「惑星」は持っているのでおまけの「ボレロ」のみ。
Disc12:ラヴェル管弦楽曲集
Disc14:サンサーンス交響曲第3番他
Disc24-25:ストラヴィンスキー作品集
Disc26-28:チャイコフスキー交響曲4/5/6番+おまけ

約11枚で、まだ約1/3。リヒャルト・シュトラウスの作品集(4枚ともう1枚)、シベリウス(4枚)とベートーベンの交響曲全集(5枚)と言う山場がまだまだ残っている。ツールドフランスで言えば、山岳ステージで三級、二級のちょっとした峠を越えて、これからいよいよ一級、一級、最後に超級山岳の山頂ゴールに向かい始めたと言う状況か。いや、わけがわからんな、これでは。

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